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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

ワイヤーハーネスKIT製作・Z1-R

2024-07-06
①メインハーネス
②ヒューズボックス
④ヒューズ内分け
⑤ハザード回路サブハーネス
⑥回路接続テスト
⑦配策確認
⑧3M製ダイノックシート
 足周り換装を終えて、ひと段落したと思っていた「Z1-R」でしたが、その後オーナーさんから新たなご相談を受けていました。最大の不満であった車体・ハンドリングの問題が解決されたことで、もう一つの不安も解消してしまいたいと相談に来られました。

 それは、この車両を手に入れられた時から不安を感じられていた、「電装系」に関してのご相談でした。
 手に入れた直後から、点火系にはASウオタニ製SPⅡフルパワーKIT(デジタル制御フルトランジスター点火方式)を、充電系にはMFバッテリーとPMC製ICレギュレーター(MFバッテリー対応)に換装して、信頼性と基本性能を上げるようにされていたそうです。
 加えてハンドルスイッチは、右側はスロットルKITに合わせてOWタイプに、左側は復刻品の新品に交換されたのですが、そこで問題として残ったのが、メインハーネスをはじめとした「配線類」だったようです。

 この車両に装着されていたのは、純正のメインハーネスそのままではなく、「3系統ヒューズ(通常の自動車業界では見かけない物)式」になっていたそうですが、後から手を加えている(Z1-Rは本来メインヒューズのみ)のは明らかで、どの系統か不明な上きちんと機能しているかも心配な状態だったようです。しっかりした新品に換えたいと思い、出来れば「多系統ヒューズ式ハーネス」が良いと製品を探してみたものの、Z1-R用はなかなか見つからず、なかば諦めていたそうです。

 それでも世代(系として)の近い「Z1000MK-Ⅱ」用の製品がみつかっていたようで、これが何とかならないかとのご相談にみえられたのでした。目を付けられていたのはPAMSさん(系カスタムショップ&オリジナルパーツメーカー)の製品(多系統ヒューズ式)でした。
 これまで、電装系の組み合わせのために配線を加工したり、部分的なサブハーネスを製作することは多々経験してきたので、物によっては流用加工が可能かもしれないと、ひとまずトライしてみることになりました。

 取り寄せたPAMS製ハーネスKITの回路を調べてみると、メインリレー回路追加・多系統ヒューズオートライト回路(北米仕様?MK-Ⅱの常時点灯式ヘッドライト対応)となっていて、かなり「凝った回路」になっていました。特に、カワサキ純正ジャンクションボックス(ヒューズボックス&サーキットリレー内蔵)に加工を施された回路が複雑で、メインスイッチをはじめとしたZ1-Rとの違いも多く、これをさらに流用加工するのは、かなり困難断念せざるをえませんでした。

 結果、当店では初の「メインハーネス製作」を手掛けることになりました。
 製作にあたり狙いは、あくまでも「多系統ヒューズ式」を主題として、後々のトラブル発生時に故障診断修理修復をしやすいことを考慮した回路・配線構成にすることとしました。そのため、多系統ヒューズの他には、特別な回路は極力加えないことにしました。

 実際の製作においては、出来れば純正配線色分け(メーカー毎に各系統に使用する配線色は決まりが有ります)を再現したいところですが、現在当店で入手可能なのは約20色(一般的な回路に多く使われる配線の容量AV0.75)程度しかなく、また、さらに大容量のAV1.25AV2.0では数色しかないため、ある程度置き換えて使わなければなりませんでした。
 途中、いくつかの繋ぎ直しをしながらも完成に漕ぎ着けました。

※製作したハーネスKIT(スイッチ類の部品側の配線加工を含みます)の特徴は以下のようになります。
メインヒューズ(メインスイッチまでの常時電源)+サブヒューズ(パーキング系と追加電装品のための常時電源取出し用)
4系統ヒューズボックス(ホンダ純正品流用)画像④
  イグニッション(点火)系/ヘッドライト系/ストップランプ系/その他の一般電源系
  ※スターター系(セルモーター回路)は、点火系と分離して「一般電源系」に入れています。
:電装の中でも重要な「点火系」と「充電系」のハーネス(配線の束)は、メインハーネスと分離させて、電源線など必要最小限の配線のみメインハーネス内に収めています。
:電流の大きさに合わせた配線容量(上述のAV0.75~2.0)の選択
※ヘッドライトHiLoの回路など、純正色(赤/黒・赤/黄)を踏襲しつつAV1.25にしたくても配線が無い場合には、AV0.75配線を2本束にして製作しています。(アース用黒/黄線は合流しつつ計本)
:唯一特別に、メインスイッチ回路に「直結防止(抑止)回路」を設定しました。
:リヤ周り(テールランプ・リヤウィンカーなど)のように、同じ本数で配線が長くなる場合、メインハーネスは短目でカプラーに収めて、「延長サブハーネス」をカプラー接続するようにしています。※これも診断・修復をしやすくするためです。

 きちんとした純正ハーネスとスイッチ類ではなかったため、最後まで確定出来ずにいた「=パーキング」回路でしたが、最終的に「ハザード対応」だということに行き着きました。そのため、最後に独立した「ハザード回路(画像⑦)」を製作して組み込んでいます。ハンドルスイッチ内にはハザード用スイッチは無いので、別にスイッチ単体をハンドルパイプに設置しています。
※この回路では、通常のメインスイッチ「ON=走行中」でもハザードは動作出来ますし、「」位置でも、ハザードスイッチを入れれば動作させることも可能です。

※画像では、左右ハンドルスイッチ接続用カプラーが全て「クリア色」になっていますが、より接続間違いのないように、一つ(6極)を後ほど入手出来た「黒カプラー」に組替えました。

※以前、製作した「メーターパネル」ですが、アルミ製なため日光が反射してまぶしいということで、カーボン調ラッピングを施すことになりました。選んだのはラッピングフィルムより強固な「3Mダイノックシート」です。画像⑧
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