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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

オイルクーラー装着・SR

2025-04-03
 ①フロントマウントオイルクーラー
  ②オイルクーラーブラケット
      ③ホース接続部加工
  ④バンジョウフィッティング
      ⑤右側ホース
      ⑥左側ホース
 ⑦フロントカウルブラケット補強
  ⑧フェンダーステー追加工
⑨スロットルケーブル取り廻し変更
    ⑩ビキニカウル仕様
 SRでの初サーキット(岡山国際サーキット)走行の結果、8000rpm(現在使える最高回転数)を常用すると油温が100℃を超えることが判明しました。2025年の走行会に向けて、シーズンオフの間に「オイルクーラー」の装着に取り掛かりました。

 当店のSRへのオイルクーラーの装着となると、フレーム補強・ステアリングダンパー(横置)・エンジンシュラウドなどが邪魔をして、市販のKITでは取付けられない状態です。どこに本体を設置するにしても独自の組み合わせ(コア・ホース・フィッティング)と取付ステーの製作が必要になります。
 そこで、問題の多いエンジンの近くを避けて、フロントカウルブラケット(ヘッドライト下部)に本体を設置することにしました。※それには、オイルクーラーの必要性がごく限られた条件下でしかなく、それほど冷却能力の高くない小型のコアで充分であることも一因です。
 
 まずは、取付可能なコア(市販のKITでは取付ステーの無い本体部分、または流用可能な純正コア)を探さなければなりません。標準でオイルクーラーを装備している車種はけっこうありますが、実際のサイズを知ることはなかなか難しく、やはりデータの公表されている市販の物から選ぶことにしました。
 そして選んだのが、KITACOさんの製品で、モンキーなどのカスタム用に販売されている「スーパーオイルクーラー本体段コア)」でした。少し小さすぎるかとも思いましたが、コア本体の価格はさほど高価ではない(ホースやフィッティングの合計は結構かかります)ため、手始めとしてこちらの製品でいくことにしました。※ホース類は取付られたコアに合わせて取り廻しを考えますので、始めに用意するのは、コア本体(バンジョウボルト接続式)・SR用の取出しKIT(アクティブ製#6ホース用)・#6バンジョウフィッティングです。

 入荷前の事前準備として、最大限オイルクーラーのスベースを確保するために、フロントフェンダーをより下げる(タイヤとのクリアランスをギリギリに設定=画像⑧)ようにフェンダーステーを加工し直しました。
 また、スロットルケーブルとの干渉を避けるために下向き(後上げ)に取付けていたフロントカウルを、出来るだけ本来の真っ直ぐ向きに設定し直す(カウル下部の切除を最小限に)ために、スロットルケーブルの取り廻しの変更(画像⑨)をしておきました。※上向きに取り出していたケーブルを前向き(ブレーキレバーを挟んで上にオープン側・下にクローズ側ケーブルを配置)に変えるのですが、ライトブラケットとの無理な干渉をさせないためには、ケーブル長をシビアに選ぶ必要があり、現状の物(800mm)と100mm短い700mmのケーブルを組み合わせて、なんとか解決しました。
 もう一つは、カウルブラケットの補強(画像⑦)です。元々製作時点での剛性不足から揺れが大きく見られていたため、この機会に剛性アップをしておきました。

 キタコ製コアが入荷したところで、そのコアを見てみると、ホース接続のための雌ネジがM10-P1.25でしたので、まずは仮合わせが出来るように、#6用バンジョウボルトに合わせてM12P1.5加工しておきました。
 仮合わせ(ヘッドライトとの位置関係に考慮して)をしながらオイルクーラーブラケットを製作(画像②)しました。コアの振動対策のためのラバーマウント式(厚みが増す)は必須となるので、けっこうシビアな設定(取付ボルトは低背型)となりました。 

 コアの設置が出来たところで、ホース取り廻しを考えますが、コア側はライトブラケット内側を通すのがベストと思われましたが、下側パイプとの干渉を避けるには約10mm接続部を上げなければならなそう(パイプをその分切除する方法もありますが)でした。10mm厚カラーと長い(ダブルタイプなど)バンジョウボルトが有れば簡単だと思ったのですが、見当たらなかったので、コアのホース接続部を延長することにしました。アルミ7N01材でネジ部を製作して溶接(画像③)しています。

 ホースの取り廻しは、クランクケース取出部(オイルタンクへの圧送側)に接続した45°フィッティングから、ホースをエンジン左側のサブフレームに沿って通しオイルクーラーバンジョウフィッティングへ接続し、バンジョウフィッティングから、ホースをメインフレーム右側に沿って通し90°フィッティングでオイルタンクアダプターへ接続するようにしました。

 さて、実際の成果は本年のサーキット走行会まで発揮されることはないのですが、どの程度の冷却能力があるのかは、夏季のワインディング路で確認しようと思っています。
 この仕様で油温を適温(狙うは5~10℃ダウン)に出来るのか?楽しみです。

※オイルクーラー用メッシュホース(#6/#8)はフレキシブルとは言え、それほどの柔軟性はないため、ホースの取り廻しをしっかりと定めて、かなり正確に長さを設定することが必須です。

※シーズンを通して、ほぼ必要のないオイルクーラーですので、普段はコアを塞いで(オーバークール対策)おかなければなりません。レースの現場ではガムテープなどを直接貼っていましたが、今回は風除けプレート(純チタン2種材1mm板)を製作して、コア前面に取付けるようにしました。

 すでにバイクシーズンに突入する時期になりましたが、掲載は遅くなったものの、このオフシーズンに施したカスタマイズを引き続き紹介していこうと思います。※実際の作業とは順不同となります。
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