パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ
LEDヘッドライトバルブ(2輪車用)対応回路・SR
2025-06-01
出来るだけかさばらないように、不必要な回路を省いて製作した「SRハーネスセット」でしたが、さっそく「一部作り直し・追加」することにしました。それは、「ヘッドライト回路」です。
当店のSRには以前から「LEDヘッドライトバルブ(60W相当)」を使用していましたが、ハーネスセット製作時にバルブ本体部分がズレているのを見つけました。振動によってフランジと本体との嵌合(フランジ別体式)が緩くなりバルブ本体が動いてしまったようでした。※夜間は走ることがないので、気付きませんでしたが、配光が狂って保安基準不適合(光軸・光度)となる状態でした。
ハーネスセット完成後には、すでに有効期間を過ぎていた「車検」を控えていたため、即座に対処しなければならず、一旦はハロゲンバルブ(H4=12v60/55w)に戻す前提でハーネスセットの製作を進めました。
とりあえずはハロゲン球で検査を通したものの、もう一度「LEDバルブ」にしようと考えたのですが、そこで悩むことになりました。60w相当(独自のオートライト回路にしたため充電電圧を抑えるのに必要な消費電力です)のLEDバルブとなると、現状「4輪車用」しか販売されておらず、しかも製品は少なく選択肢があまり無い状態です。同じ製品にしても、同じことになるでしょうから、今度は耐震性の高い(出来ればフランジ一体型)「2輪車用」を選び、消費電力の問題は別に考えることにしました。
「良い照射=最重要」「高耐震性」「フランジ一体型」の要件に該当する製品には、すでに心当たりはありました。発売されて以来、当店で最も推している「ディトナ社」の製品(25w相当)です。純正ライトユニット(H4ハロゲン球)の数車種(直近ではV-MAX1200))で、良い結果(配光・光度)を得ていましたので、残る消費電力の問題は、「消費量を増す工夫」で解決することにして、この製品を使うことにしました。
消費電力を増すには、電気負荷(バルブ)と「並列」に「抵抗」を介した回路を作って目指す電流量が流れるようにします。
ディマースイッチ(Hi/Lo切り替え)の前段階を加工すれば、「抵抗回路」が1本で済むのですが、作ったばかりの「ヘッドライト系本ハーネス」に手を加えなければならないので、この度はサブハーネスを作り替えて「Hi/Lo2系統」の回路を追加することにしました。※ヘッドライトの仕様変更を考慮して「サブハーネス」を設定したのが、さっそく役にたちました。
現状のサブハーネスを加工するには少し配線の長さに無理があったので、新たに製作しました。バルブソケット側端子から分岐させて接続カプラーを後ろ向きにしたサブハーネス(ライトケース内)としました。
この回路では、かなりの電流量を流す抵抗値なので、その「抵抗体」はけっこう発熱します。ケース内やライト周辺は設置に適した場所が無かったので、ハーネスが長くなってしまうもののシート下スペース(オイルキャッチタンクブラケット上部)に「抵抗」を設置することにしました。そのため、さらに連結用ハーネスも製作しています。
目的の消費電力となるための抵抗値ですが、合計60w(LEDバルブ25w相当)に近くするには、計算すると「約4Ω=36w」になります。ただこれまでの電圧値(車載電圧計で14.1~14.3v)よりもう少し低く出来ればさらに良いだろうと考えて、以前より消費電力を増すように「3Ω」を入れてみることにしました。※48w(合計73w相当)の消費電力になりますが、SRの充電制御との兼ね合いで、どれだけ電圧を下げるかは試してみなければ分かりません。出来れば13.5~14.0vとなることを狙っていました。
さっそく「3Ω」の抵抗を仕入れて回路に接続させて、エンジンを始動してみました。結果は、充電電圧が13.0~13.3v(アイドリング回転~3000rpm程度)となっていて、狙いよりも下げ過ぎていました。
それではと、「4Ω」の抵抗に替えて接続し直してみたところ、予想に反して「13.3~13.6v(同上)」になり、うれしい誤算で「狙い」に近くなってくれました。
抵抗回路を装備して充電制御電圧を抑えることが出来るようになって、ヘッドライト(ユニット/バルブ)の選択肢が格段に増えたので、今後も気に入った製品が見つかれば仕様変更しようと思います。
また、リチウム系バッテリーの適正電圧(バッテリー端子電圧14.5v前後)になったので、そちらも合わせて考えてみようと思います。
※4Ω抵抗で計算では合計61w(12v時)になり、以前と同程度の電圧値(充電制御)になると予想していたのですが、結果としては以前より低い電圧値になりました。これは完全な「抵抗」(電球の発行体=フィラメントを含む)と違い「ダイオード」の実際の抵抗値が掛かる電圧によって変化(=電流量の変化)しているからだと思われます。ダイオードの良否判定を、テスターで抵抗を計ることで点検しますが、導通方向でも~MΩ(メガオーム)といった値になります。
※3Ωや4Ωの「抵抗」を入手しようと調べると、すでに放熱性に優れたアルミシェルに格納した製品(自動車業界用)として販売されていました。固定用のステー部(ネジ用穴付)も装備されていて、とても便利です。
※車載のデジタル電圧計の計測点は他の電装品と共有した所なので電圧降下しており、バッテリー端子電圧値とは0.4~0.5v低い値となっています。
※この車両に限らず、車種(レギュレーターの種類)によっては、消費電力の増減によって充電電圧値や電流値が変化する場合がありますので、注意が必要(特に大きく消費電力を変える際には)です。
