パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ
チタン製ミラーアーム製作
2025-07-19
エキゾースト系や薄板物以外で初めて「キックペダル」を製作して、チタン材の優れた特性(高強度・軽量)を再確認しました。
これまでは、「軽量化」を狙う場合にはアルミ材を用いる前提で考えていたものの、強度的に不安があることも多く断念したことも多々ありましたが、「チタン材」ならば可能性が広がります。※切削性など加工の難易度には不安はありますが。
そこで、さっそくチタン材を使って作ってみたい物を考えたものの、溶接強度が重要(厚物での)となるような物に関しては、もうしばらくキックペダルの耐久性(特に溶接部)を確認出来るまでは待つことにして、とりあえず溶接しなくても製作出来る物(単一部材品)を考えることにしました。
とは言え、精巧な削り出しをしないで作れる物(コストの問題です)に限られ、選択肢の少ない中で思いついたのが「ネイキッド系バックミラー」の「アーム部」でした。
昨年の「カウリング仕様(フレームマウント)」にして以来、マウント部分のシンプル化を優先(オイルクーラー装着に併せて補強)したため、バックミラーは極力軽量な物(樹脂製ミラー本体&アルミ製アーム:メーカー不詳)を選んで、ブラケットへの負担を少なくするように考えました。しかし、あまりにも強度・剛性が低くミラー全体が大きな振幅で揺れて、全く後方が見えない状況でした。
その後、強化したアーム部を製作して全体の揺れは軽減されたものの、次にはジョイント部(角度調節)が負けてミラー本体が動いてしまうのは収まらず、接着剤で固定するなど対処に追われました。最終的にこの製品は諦めて、他の物を探すことにしていました。※この商品は極安価で惜しくはないのですが。掛けた手間は惜しく感じますが。
車検を機にカウリングを外した「ネイキッド仕様」にした際に、バックミラーも以前から使っていたハンドルマウントの物(樹脂製本体&スチール製アーム)に替えていました。それを見ながら、ふと気付かされました。
元々は、このミラーでカウリングとの仮合わせをしていたのですが、スチール製アームで重いため、他の軽量な物を探したのでした。それが上記の製品でしたが、このミラーも本体は樹脂製(これも安価な製品です)で、そこそこ軽量な物なので「アーム部」さえ軽量化出来れば良いことに、今更ながら気付いたのでした。
このミラーのアーム部は、両端がM10-P1.25右ネジに切ってあり、ネジ部以外は12mm径のスチール製丸棒(ハンドル側は防振機構風イミテーションで一部20mm径)で製作された物です。
チタン製アーム製作にあたっては、高強度なチタン材にすることから、10mm径丸棒にして両端にネジ切りをするだけのシンプルな物にすることにしました。材料はキックペダル製作用に仕入れた「64チタン材=キックバー用」が手元に残っていたので、これを使って作ってみることにしました。
ただ、ここで懸念していた問題が生じました。一般的にオスネジ加工に用いられる「ダイス=特にステンレス材対応のHSS材製」では全く歯が立たず、ネジ切りが出来ませんでした。出来れば自店内で施工したかったのですが、とりあえずは製作を進めたかった(コストの面を明らかにする上でも)ので、懇意にしている加工屋さんにお願いすることにしました。※これまでも、精密加工や三次元加工ではお世話(当店で設計・製図)になっています。
加工が困難なのは相当なもののようで、その加工屋さんの機械でも不可能だったそうで、親しくされている別の業者さん(NC機)の所で、ようやく出来たようです。
両端ねじ切りの出来た丸棒材を、望む角度(加熱手曲げ)に曲げて、ミラーアームが完成しました。
結局、自店で施工したのは、切断と曲げ加工だけでした。それでも新たに購入していた切断機がここでも役に立ってくれています。
※画像はハンドルマウント(ネイキッド仕様)にしていますが、カウリング仕様ではヘッドライトステーに横出しにして取付けます。
※軽量化は大きく、元の製品(スチール製アーム+両端スチール製ナット=174g)から、64チタン製アーム+ナット(1ヶチタン製)=64g(約37%)となり、110gの軽量化となりました。(ミラー本体=143g)
※今回は自店のSR用だったこともあり、64チタンでの製作にこだわり(コスト度外視で)外注に出しましたが、強度的には純チタン2種材でも充分(64チタンの約1/2=高強度の鋼材同程度)だと思われるので、一度試してみようと考えています。(純チタン2種は、チタン材の中では加工性・切削性が比較的高いこともあり、各方面で最も多く用いられている素材です)


