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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

チタン製サイドスタンドSET製作・Z1-R

2026-03-14
  ①チタン製サイドスタンドSET
     ②リヤビュー
  ③サイドスタンドブラケット
    ④ブラケット裏面
   ⑤サイドスタンドバー
    ⑥接合部補強材
  ⑦サイドスタンドバー内部補強
       ⑧完成
 「チタン(純チタン2種/64チタン合金)」を活用して、軽さ強度の両立が見込めるようになり、これまでは半ば軽量化は諦めていたような部分のカスタマイズに目途が立つようになりました。※加工はたいへんですが
 当店のSR(かなり力の掛かるキックペダル&サイドスタンド)での経過が良好でしたので、いよいよお客様にお勧め出来るようになりました。

 真っ先にお勧めさせていただいたのは、やはり「17インチ仕様Z1-R」のお客様です。※いつもお世話になってます。
 「軽量高剛性な車体」を目標に製作した「Z1-R」でしたが、その「サイドスタンド」は、製作当時では軽量な部類だったCBR900RRのサイドスタンドSET(ブラケットなど関連部品全て)を流用して脱着式(アンダーフレームに埋め込んだM10mmネジボスへのボルト締結)にするのが精一杯でした。※当店のいつもの考え方で「取外せば軽くなる」です。
 系の純正に比べれば、相当軽量には出来たのですが、完成してみると不安な点が見つかりました。
 この車両のフレームは´08ZX10Rスイングアームに合わせた「ピボット幅」に製作したのですが、「アンダーフレーム」もネジレ剛性を高めるために、そのままの幅を保つように構成させました。結果、サイドスタンド全体が結構張り出した位置になり、バンク角に影響する(他の部分より先に接地する角度)恐れがありました。
 後に実走で確認するとギャップの在る左コーナーだとギャップ通過時に接地してしまいました。当初はサスペンションセッティングも柔らか目で走らせていたので、かた目にすればその場所では大丈夫そうでしたが、不安は残りますので対策をすることになりました。

 「張り出し」は小さくすることは非常に困難なので、ブラケット取付位置を上方へ移動させるしかありませんでした。※上方になるほど多少横への張り出しが増えても接地しにくくなります。
 そこで移設のための「ベースプレート」を製作しました。元の位置から離れた位置で荷重を支えますから、相当の強度・剛性が必要となり、アルミ201712mm厚板を用いました。アルミとは言え、そこそこ重い物となってしまいます。
 また、上方への移動に伴いサイドスタンド本体の「長さ」が足らなくなりますので、延長加工を施すことになります。ここでも強度を考えて相応にしっかりさせますので、結果として想定外の「重量化」となってしまいました。
 一時はステンレス材で各々(ブラケット/バー)をワンオフ製作すれば、不必要な重量をはぶけるか?とは考えましたが、それではわずかな重量減にしかならない(ステンレス材は他の鋼材と比重はほぼ同じ)ため、軽量化は断念してもらっていました。※当時はチタン材の入手は当店としては難しかったので、考えにも及びませんでした。

 以来、私自身は気にかかったまま過ごしていましたので、チタン材での製作の目途が立ったところで提案させていただきました。

 製作にあたっては、移設したサイドスタンドピボット位置を参考にしますが、ブラケットを一体化しつつ素材強度を上げる分薄くしますので、横への張り出しが少なくなるのを考慮しました。元の位置より僅かに前方下方に移動させ若干コンパクト(ピボット裏のスプリングフックがフレームぎりぎりに設定)に設計しました。

 ブラケットは全部材を64チタン合金を用いて、ベースはmm厚(移設プレート=アルミ2017材12mm厚/=CBR純正ブラケット=鋼材8mm厚)、ピボット支持部分のみ2枚重ねでmm厚としています。※ブラケットの強度の問題ではなく、バー側のピボット部分が薄くなり過ぎて、バー本体部材(20mm径パイプ材)との接合で強度を上げにくくなると考えたからです。
 製法は貼り合わせの溶接となりますから、リブを立てて効果的に補強されるように構成を考えました。 

 サイドスタンドバーは、ピボット部分(ブラケット側を8mm厚にしたことで全体の渡りが21mm/幅=25mm)・接合部補強材(4mm厚板)・両側スプリングフック(7mm径丸棒)が「64チタン材」、バー本体(20mm径2mm厚パイプ材)・接地部(2mm厚板材)を「純チタン2種材」で製作しました。
 バー本体には出来れば64チタンを使いたかったのですが、入手出来なかったため純チタン2種材としました。引張強度(曲げ強度)が落ちる(あくまでも64チタンと比較して)ので、厚みを増すことも考えましたが、違う方法で補うことにしました。
 接合部の補強材とは別に、バー中間部への補強です。バー中間部裏側にはスプリングフックを設けますが、そのスプリングフックを長くして、バー(丸パイプ)を貫通させ表裏で溶接して内部で「支柱」(画像⑦)となるようにしました。※パイプ材が曲がる際は断面が潰れようとします。潰れるのを防げば曲がりにくくなります。

重量は、元のセット(CBR900RR流用+移設プレート)=約980gに対して、チタン製=約400g(重量比=約41%:ヤマハ純正ピボットボルト35g含む)で仕上がり、580gの軽量化を果たしました。

※フレームへの取付ボルトもチタンボルト(M10mm:64チタン製)にしました。

※多大なコスト(原材料費/加工費)が掛かり、けっしてコストパフォーマンスが高いとは言えませんが、圧倒的な強度と軽さを兼ね備えた「チタン製品」は錆びない特性とも相まって、今後は色々な製品が増えるのではないかと思います。
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