パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ
軽量化(足周り編)・SR
2026-06-02
ここのところ「軽量化」に取り組んでいるSRですが、以前からやってみたいと考えていた「足周り」の軽量化に向かうことにしました。
´91ZXR400の前後足周りをそのまま(フロントキャリパーはブレンボ)換装しているので、それなりには軽量な部類ですが、様々なパーツが販売されている近年では更に軽量に出来るのではないかと考えていました。
最も望ましいと考えていたのは、「ホイール」です。ホイールの軽量化は、車体の軽量化と同時に「ジャイロ効果の低減」と「バネ下重量の軽量化」が図られてハンドリングに好影響をもたらします。特にフロント側は絶大(車体のバンクスピードが上がると共に前輪の舵角の追従性が高まり、特に初期旋回が良くなります)ですので、フロントホイールだけでもなんとかしたいと思っていました。
ところが、´90年代レプリカ系(ミドルクラス)の軽量ホイール(出来れば公道使用に適していて比較的安価な鍛造アルミ製)はほとんど販売されてなく、いずれ販売されるかもと待つことにしていました。未だにその情報は無いため他車種用の流用も考えましたが、サイズ設定を含めてもう少し試したいことも残っているので、今回は別の方法で足周り軽量化を図ることにしました。
着目したのは「ブレーキディスク」です。ホイールほど効果は大きくはありませんが、同じように重量物の回転体ですから、それなりに期待は出来ます。
ただ各社ディスクを調べましたが、基本的にビッグバイクへの装着を前提に製作されているため、厚さが薄い物でも5.0mmでした。これでは、ZXR純正(標準値4.5mmで現在摩耗限度に近くさらに軽量化?されています)より厚くなり、ウェーブディスクのように削り込んだ形状の同径品でも軽くはならない(かえって重くなるくらい)と考えられました。
軽量ディスクが見当たらないまま、考え付いたのが「シングルディスク化」です。
現状のSRでは、「310mm径ダブルディスクブレーキ」の最大制動力を発揮させることは無く(出せるスピードも低く運動エネルギーが小さい)、最大制動力を下げてでも軽量化を優先出来る状況だと考えられました。
小径ダブル(回転体の径が小さくなると同じ重量でもジャイロ効果は小さくなります)も考えましたが、キャリパーを含めてバネ下重量をも軽量化出来るシングルディスク仕様を試すことにしました。
シングルディスク化をするにあたっては、当然制動力不足に陥る怖れはありますので、シングル仕様での最高レベルのスペックを目指した構成にしました。
●ブレーキング製ウェーブディスク(320mm)
●ブレンボ製ラジアルマウントキャリパー(2ピース/4ピストン)
●ブレンボ製RCSラジアルマスターシリンダー(14mm径)
●メタリカ製スペック03パッド(レース用カーボンシンタード)
●ワンオフ製作キャリパーサポート(アルミ2017材)
キャリパーサポートの製作にあたっては、これまで3次元の精密な加工が必要な場合、加工屋さんに図面を元に製作してもらっていました(自店にフライス盤を持っていないため)が、ダブルディスクに戻す可能性があり無駄になるかもしれないので、今回は自分で製作してみることにしました。
手作りに近い製法なため、精度は完璧とは言えませんが、なんとか実験が出来る程度にはすることが出来ました。※ラジアルマウントキャリパーを採用したのも、キャリパーサポートの製作が自店で可能そうだったのが1番の要素(中古品を在庫していました)です。
パッドの当たり面も僅かにはみ出るくらい最外に設定し、有効半径を限界まで大きくした設計(はみ出る分は面取りを施します)をしました。
マスターシリンダーはRC390に装着していた物を移植しましたが、RC390でも制動力をより高めるために径の小さ目(パッドを押す力は大きくなり、レバーの引き代は長くなります)な14mm径としていましたので、実験には最適でした。
※これ以上の制動力にすることは現在では考えられない構成ですから、もし制動力不足が許容出来ないと判断したなら、即時にシングルディスク仕様を諦めることになります。
今回、軽量化は相当大きく達成しましたので、こちらのメリットには大きな期待を持てます。あとは試走の結果次第ですが、制動力の可否を含めてしっかりと走り込んで判断したいと思っています。
※重量比較
ダブルディスク仕様 / シングルディスク仕様
ブレーキディスク: 3.0kg(2枚) / 1.7kg
キャリパー(パッド付):1850g(2個) / 1090g
キャリパーサポート: 160g(2個) / 225g
合計: 5010g / 3015g
(1000gを超える物を測るのにはアナログ体重計を用いましたので、大体の計測値です)
以上の仕様変更で、約2kgの軽量化を果たすことになりました。
まだまだ最高出力の低い当店のSRだからこそ試すことの出来る「シングルディスク化」です。それでも、この仕様を試すことを思い付けたのは、現代の技術によって作り出されたブレーキ関連製品が在ればこそです。改めて凄い進歩だと感じています。


