パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ
シングルディスクの輪・ゼファー400
2026-09-12
フロントブレーキをダブルディスクから「320mm径シングルディスクブレーキ」へと仕様変更した当店のSR(レポート未掲載でしたが、結果=効果は想像以上に良好でした)ですが、その「シングルディスク」の「輪」(わ)が広がりました。
SRに続いてシングルディスク化をすることになったのは、外装をFX仕様にした「ゼファー400」です。こちらのゼファーは当店のSRと同じように、ZXR400系(ZX400M)足周り換装を施して「前後17インチラジアルタイヤ仕様」としていました。
SR同様ミドルクラス(ライトチューン&FCRキャブレターでパワーアップしているとは言え、ZXRには及んでいません)で、車重はSRよりは若干重くはなるものの条件は似たものでした。
シングルディスク仕様にする「軽量化」の効果が大きい(特にジャイロ効果の低減)ことを伝えたのが始まりなのはもちろんですが、このZXRのフロント足周りを流用していることが後押しとなりました。
SR用に入手したBRAKING製320mm径ウェーブディスクとブレンボ製ラジアルマウントキャリパーは、程度の良い中古品なのですが、いずれも左右セットで入手した物でした。
SRは右ディスク仕様(展示した際に目立ちやすいため)としていたので、左用がそのまま使える状況だったため、比較的に低価格でシングルディスク仕様に出来ることが決断の決め手となったと思われます。※ブレーキホース(左用)も継続使用可能なため、新たに用意したのは「ブレンボ製14mm径RCSラジアルマスターシリンダー&リザーブタンク」だけとなります。
仕様としては、SRとほぼ同じ(パッドは手始めにキャリパー付属ブレンボ純正)になりますので、換装作業の中心となるのは「キャリパーサポート」です。
基本的には、SR用に製作した物の左右対称の物となるのですが、SRではギリギリまでの最大制動力を狙ってパッドの当たり面を外にはみ出す位としていたため、ゼファー用ではきちんとディスク外周内に収まるように設計し直しました。
また、出来るだけ軽量に仕上げることとフォーク側ブラケットへの応力の掛かり方を追求した採寸・設計なため、誤差が出易い形状となってしまっていることを考慮して、取付時にシム・カラーで調整することを前提に、わずかにキャリパーが「フロントフォーク寄り&ディスク円中心寄り」になるように設計・製作しました。※逆位置だとシム・カラー調整が不可能になります。
SRでは全工程を自店で行いましたが、「フォーク側ブラケットとの取付面」(3軸のうちの1軸)の加工は加工屋さんにお願いして、主要な3面(材料は全面フライス仕上げの25mm厚ブロック材)をフライス仕上げ(素材はアルミ2017材)としました。※製作の全てを加工屋さんにお願いしなかったのは、キャリパーやフォーク側ブラケット部との干渉部分に微妙な逃げが必要で、正確な製図が出来なかったからです。この逃げは現物合わせの手作業で削りました。
また、ビキニカウルを装着しているため、マスターシリンダーのリザーブタンク(フルードカップ)の配置には制限が有り、タンクステー(市販品で適した物を探すのはかなり困難)をワンオフ製作しました。通常(ネイキッド系でマスターシリンダーの近くに配置する物)に比べて長くなるため、 2017材5mm厚板材としています。
※一般路での試走では、軽くなったS字切り返しと充分な制動力を感じ取れました。パッドの馴染みがしっかりと出た後には、ハードブレーキングを含めてハンドリングの変化を確認(必要であればサスペンションセッティングも)する予定です。
※SRでのシングルディスク化による軽量化で最も感動したのは、「ジャイロ効果の低減」による「倒れ込み(リーン)&フロントタイヤの舵角の付き方」の抵抗感の低いスムーズさと「切り返し」の速さでした。まさしく軽量ホイールに換装したかのような感覚を得られていました。
そして、「バネ下重量の軽量化(リヤ側も含めて)」も大きな効果がありました。以前の減衰力調整のまま走り始めた際には、かえってバタバタとした挙動を起こしていたほどでした。減衰力を少し弱めてバランス(重量との)が取れてくると、ブレーキング中やコーナリング中にギャップをスムーズに超えられる(路面追従性の向上)ようになって、荒れている部分を含めたライン取りやブレーキングの強さにも変化を加える余地が出てきました。
ライディングに大きな可能性を高めてくれた結果は、正直に言って想定以上でした。ちなみに心配していた制動力に関しては、相当ハードなブレーキングでもこなせて充分な制動力を発揮出来ていましたので、よほどのパワーアップをしない限りシングルディスク仕様を続けることにしました。


