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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

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粘度セッティング・Ⅱ

2021-08-07
   ①5W-40(MOTUL 300V)
         ②15W-50
 真夏に向かって柔らか目(15W-50から5W-40)へエンジンオイル粘度を変更するにという、通常(常識的な)とは逆のパターンで試すことにした粘度セッティングですが、エンジン冷間時の変化もさることながら、温間(完全に暖まってシリンダー温度・油温ともに適正になった状態)から過熱気味の状態におけるテストが出来ると考えられ、かえって良いテストになると思います。
 やはりオイルにとって最も重要なのはエンジンを「保護」(多少の過負荷や過熱気味の状態でも)し、エンジンパフォーマンスを「発揮維持」することなのは間違いありません。高い気温の中での温間時の影響(悪影響を踏まえ)を確認しつつ、走行全般において粘度セッティングのテストをしていきます。※最終的には冬季(低気温)に至るまで経過観察を続けていきます。

 常温とは言え気温25℃位になると、15Wのオイルでも少しは柔らかくなりますが、やはり「5W」のオイルは格段に柔らかく、エンジン(SRはフレーム内オイルタンク)に注ぐ際には、かなり水っぽく「サラサラ」に感じます。注入後に一度エンジンを回し、エンジン内のオイルを完全に入れ替えて、後日のエンジン始動からのテスト開始に備えました。

 外気温約30℃(午前11時・屋内)で始動準備に入ると、確かにキックの手応え(足応え)は軽くなっていました。特にデコンプレバー(EXバルブを開いて圧縮を逃がす機構)を引いて空キックをしていると、軽くエンジンを回せるのが良く分かります。ピストンの頭出し後の、始動のためのキック動作でも若干軽く感じられますが、柔らかいオイルの影響だけではなく、圧縮低下の影響もあるかもしれません。梅雨も明けてほぼ同様の気象条件で数回始動を試みましたが、なかなかエンジンが掛からない(キック10回位)こともあれば、キック一発で掛かってしまうこともありました。ただ、なかなか掛からない場合には、キック数回に1回は「ケッチン」が起こりますが、その反動の強さが少し軽減されているようです。始動性が良くなっているとは言えないものの、すこしは痛みが減ってホッとしました。※始動(キック)時には必ずレーシングブーツを履いています。それでも結構痛いので。

 アイドリングで数分エンジンを掛けて(暖機運転)おいて、シリンダーが熱くなったのを確認して発進しますが、その段階でも油温は50℃位にしか上がってない状態です。走り出すとエンジンのレスポンスが軽く、「まるで」完全に暖まっているみたいに感じます。これまでは油温のチェックは過熱していないか?どうかを管理していたので、あまり負荷の掛からない状況では気にしていませんでしたが、3000rpm前後で約20km走行しても、油温は80℃に達していません(78~79℃)でした。(油温は80~110℃が適正範囲)この状況なら柔らかい5Wのオイルのおかげで、エンジンがスムーズで断然調子が良く感じ、効果的だと思います。※完全に暖まった状態ではないので、この段階で急に高負荷を掛けるのは厳禁です。

 徐々にエンジン回転を上げて走り出すと、たちまち油温は90℃を超えた適正範囲に入ります。この状況では特にこれまで(15W-50)との違いは感じ取れませんでした。30分程度走り込むと最終的に100℃に初めて達しましたが、熱ダレした様子は無く、エンジン性能的には悪影響が無さそうです。※エンジン保護(潤滑)の観点においては、シーズンオフに分解して検証します。

 この度のテストで改めて分かりましたが、外気温30℃超でこの油温変動ですから、一般的な走行では油温は「適正範囲まで上がらない」まま走り続けていることになります。よほど油温の上昇し易いエンジンや、高温下で高負荷が掛かる使い方でない限り「5W-40」のオイルは効果的だと思います。気温が低くなっていくと更に効果は大きくなると思われます。

 今後は、オイル消費量汚れ(燃焼ガスの吹き抜けによるオイル燃え)への影響を検証していきます。実際のシリンダー温度と油温との関係も明らかに出来れば尚良いと思われ、シリンダー温度を測定することも考えようと思います。(水冷エンジン車なら簡単なのですが)

※エンジンによっては、粘度の違いでシフトフィーリングが結構変わるものもあります。また、当然オイルの種類によっても効果は違ってきますので、ご注意ください。
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