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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

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ガンマ500レーサー仕様変更

2021-08-13
①YZRタイプシートカウル
②リヤEXチャンバー レイアウト変更
③仕様変更シートレール
④Fカウルステー延長
 2018年に製作した「セミオリジナルアルミフレーム」(ワンオフパーツ作品集に掲載)の、ガンマ500レーサー(RG500γ市販車改)が久し振りに入庫しました。
 もともと関東の方ですが、当時はちょうど鳥取県に赴任されていて、関西の共通の知人の紹介で来店されるようになりました。各部の仕様変更などの依頼を受け、マシン製作のお手伝いをさせていただいていました。その過程で当店の「オリジナルフレームRS250」を見られて、それまで抱えられていた問題点の解決策として、フレーム製作の決断をされました。そうして完成したのが、前述のアルミフレームです。完成後まもなくして、また関東へ転勤されましたので、久し振りの再会となりました。

 この度は、当初のRG500γ(スズキワークス)タイプ外装を、ヤマハYZR500タイプシートカウル・ホンダRS250流用フロントカウルに変更するための、シートレールフロントカウルステー仕様変更のご依頼で入庫いたしました。事前に来県されるスケジュールを確認するものの、具体的な作業は入庫してから考案しなければならず、滞在期間も限られているため少し不安な面もありました。

 来県前にシートカウル仮合わせが出来るように、シートカウルとシートレールの予備加工(干渉部分の切除)は施されていました。入庫の際に仕様変更の確認をすると、YZRタイプのシートカウルでは、後方シリンダーのエキゾーストチャンバー出口(サイレンサー)がほぼ横並びに寄せられたデザインとなっています。EXチャンバーを通常より捻って(R=時計回り/L=反時計回り)取付けると、その配置が可能になるようですが、その状態ではEXチャンバーのタイコ部がシートレール下側を支えるパイプに干渉していたようです。そのため、シートレール下側の再構築EXチャンバー取付部の移設(または新設)が、この度の作業となりました。フロントカウルステーは延長が必要なようで、出来るだけカウリング側の加工やフィッティング(取付は差込式)がし易いように考えることにしました。

 シートレール下側は、左右タイコ部の間がかなり狭まっているため、左右1本づつのパイプでは大きく湾曲してしまい剛性が落ちてしまうと思われました。そこで、1本の長方形断面(45×20)の角パイプ(アルミ7N01材)を、タイコ部下面まで設置した上で、その先端に20×20角パイプを接続する「変形Y字構成」(側方から見て「く」の字)としました。長方形角パイプの下端には丸パイプを溶接して、角度を付けたY字の接合部の強度を上げるようにしています。※画像③ EXチャンバー取付部は元の物を切除し位置を変えて取付け(右は元左の物を移植・左は新作)ました。

 フロントカウルステーはカウリング側の加工が少なくなるように考えると、カウリング前面の直角に交わる点に向けて、現状の先端部から上向きに角度を付けたうえで約50mm延長する必要があるようです。ただアンダーカウルを含めたフィッティングまで検証することが出来ない(カウリング本体も加工途中)ので、少し自由度を持たせるようにしました。フィッティングにはホンダ純正ナット式カウルボスを使って差込式にしているので、これに合わせた丸パイプ(外径17mm/内径14mm)を更に太い丸パイプ(外径20mm/内径17mm)への差込式として、短め(内部長約20mm)にした20mm径のパイプのみ溶接して固定しておきました。パイプの差込長さ(深さ)が調節可能となった上、ボスとパイプのどちらの差込部でも、カウリング脱着に使用しやすい方を選択出来るようにしました。※画像④

※溶接して接合した金属製品(特にアルミ材)は、部分的に切除した場合でもきれいに研磨すれば、ほぼ痕跡が分からなくなり再加工を出来るようになります。アルミ(7N01材や5052材)であれば、溶接強度の高い溶接棒を用いて溶接した物なら、強度にもそれほど影響はありません。溶接歪みは1回目よりは大きくなりますので、部材のサイズやに溶接箇所によって注意する必要があります。※チタン材は強度に影響が出ます。
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