パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ
SRタコメーター交換
2021-12-04
LEDヘッドライトバルブを装着した頃から、指針の反応遅れが見られるようになった電気式タコメーター(ディトナ製VELONA)ですが、その後は、針触れ(大きな振れ幅)や高回転域では指針が動かなくなるなど、さらに悪化していきました。
LEDバルブからのノイズ(電磁波)の影響も疑い検証しましたが、そこには問題はありませんでした。やはり原因は、タコメーター自体の回路に不具合があるようでした。
発端は、点火系からの異常なパルスの入力にあったと思われました。症状が出始める少し前に、プラグキャップが抜けて浮いていることがありました。イグニッションコイル(ポッシュ製)と一緒にプラグキャップ(テイラー製)も換わりましたが、ハメ合いが硬目で、しっかりとハマりきらないで使用していたようで、振動で抜けていったと思われます。ハメ直した直後にチェックした時には、問題は無かったのですが、このことが後に影響したと考えられます。※過電圧や振動などの要因も可能性があります。
VELONAタコメーターは、点火パルスを拾うのに、プラグコードに発生した「電磁波」を電気信号に変換して入力する方式となっています。車種によっては感度が低く上手く拾えない場合もあり、専用の増幅器(製品名・パルスジェネレータ)を用いて作動させることもあります。SRもこのパーツが必要な車種の一つです。
プラグキャップが浮いた状態では、キャップ内の端子とプラグ端子が離れてしまいますが、その離れた端子間をスパークが飛んで、異常に「過大」な電磁波が発生していたと思われます。その影響で、上記パルスジェネレータかメーター本体の内部回路が破損したと考えらました。
まずは、パルスジェネレータを交換してみましたが、3000rpm位までは正常に戻りましたが、その上の範囲では改善されませんでした。しばらく、その状態で使っていましたが、来シーズンに備えてタコメーターを交換しておくことにしました。
用意したのは、「旧タイプ」のディトナ製電気式タコメーター(画像①)です。ちょうどスピードメーター(ディトナ製機械式)と同じ本体ケースとなりましたが、選んだ理由は「点火パルス」の入力方式にあります。この製品では、イグニッションコイルに発生した「1次電圧」をそのまま利用して、パルス入力とする方式(VELONAと同じプラグコードの電磁波を使うことも可能)に対応しています。感度に対しても「調整式」となっていて、過去には色々な車種で安定した指針の動きにすることが出来ていましたから、SRには適していると思います。
取付ピッチは同じですが、ハーネスの取り出しのための穴をあける追加工(画像②③)は必要でした。SRはCDI点火ですから、イグニッションコイルの+線(フルトランジスター点火では-線)を分岐させて、パルス入力線に接続し直しました。エンジンを始動ところ、感度は「標準設定値」で順調に作動(④動画)していました。高回転域は試運転で確認して、必要があれば調整します。
※「旧タイプ」のディトナ製電気式タコメーターは、現在では「廃番」となってしまいました。VELONAのように温度計や時計機能の無い「回転計」だけの製品でしたが、点火方式もCDI点火(SRやRZ系などの2st車)・フルトランジスター点火(一般的な4st車)のどちらでも、イグニッションコイルの「1次回路」で対応出来るので重宝していました。
プラグコードの電磁波を利用する方式は、プラグコードをはじめ「点火系」のチューンアップに対応できないことが多いこともあり、出来れば「旧タイプ」が再販されるか、「同等仕様の新製品」が発売されることを望んでいます。