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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

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センサーアダプター製作・SR

2023-01-15
 2023年のSRカスタマイズは仕様変更(性能・機能面)の前に、「シリンダーテンプメーター」に続きエンジン状態計測系のパーツを装着することにしました。シリンダー温度を計測し始めて、改めて走行中の状態を正確に把握することの重要さが分かりました。今後の更なるエンジンチューニング(今年度には難しい?)のためにも、もう種類計測出来るようにしたい項目が有り、そのためのメーターを加えておくことにしました。

 それが「オイルプレッシャーゲージ」(油圧計の一般的な総称)です。エンジンチューニングされたチューンドカー(4輪車)では割とポピュラー(少なくとも昔は)に用いられていますが、バイクではあまり使われていません。※特別に必要ないのかスペースの観点からなのかは分かりませんが。
 「オイル粘度セッティング」の項で記述したように、高回転高温下で連続走行するような場合、油圧低下(粘度が下がりサラサラになり過ぎて、流れやすいところで流れるばかりで、圧力が低下して全体には行き渡らなくなる現象)の恐れがあります。
 そのため、特にエンジンチューニングした場合には、最低でも40(粘度指数の高温側)のオイルを使い、油温を可能な限り100℃以下になるように管理しています。
 それでも油圧は、オイルクーラーの装着・大型化などの潤滑経路の変更や、エンジン内部のクリアランス変化にも影響を受けて変化します。そこで、油圧計を装着して現状を確認しつつ、常に状況を把握してその後につなげようと考えました。

 「オイルプレッシャーゲージ」と総称したように、主に4輪車に用いる機械式(ブルドン管式)の製品が大半で、2輪(特にネイキッド系)には応用は難しいものです。電気式のものがないか探していたところ、何とか「KOSO社」(台湾のカスタムパーツメーカー)の製品が見つかりました。※需要が乏しいからか日本製のものは無さそうでした。
 この製品は、液晶デジタル表示のコンパクトなメーター本体で、バイクへの装着に適しています。付属の「油圧センサー」は取付ネジが、PT1/8のテーパーネジとされていて、通常のオイルプレッシャースイッチや温度センサーと同様となります。気筒以上の4stエンジン車であれば、ほぼオイル(油圧)警告灯を備えているので、純正のオイルプレッシャースイッチを付属のセンサーに差し替えれば、あとは電源配線の加工だけで装着が可能になっています。

 問題なのはたシングル(単気筒)エンジン車です。一般的に、純正ではオイル警告灯の無い車種が多いのです。SRも例外ではなく、警告灯が無いのでオイルプレッシャースイッチが備えられていません。そのため、油圧センサーを接続する取付場所を、特別に設けなければなりません。油温センサーとは違いオイルに触れていれば良い物ではなく、きちんと潤滑経路の中で圧力(出来るだけオイルポンプに近い所)が出ている場所でなくてはならないので、かなり限られていて難しいところです。
 SRの潤滑経路を確認すると、オイルポンプ(エンジン内潤滑用のフィード側)から圧送されたオイルが、クランクシャフト系と分岐してシリンダーヘッド系を潤滑する経路を外部通路(デリバリーバイプ)としてあります。エンジン本体を加工しないで油圧を取れそうなのは、このデリバリーパイプ(現在はKEDO製ホース)の所しか無さそうです。そこで、接続に用いられているオイルボルトM8バンジョウボルト) を利用して、「分配アダプター=ワンオフ製作」にセンサーを取付けることにしました。

 アダプターの設置はクランクケース側(シリンダー右後方/カムチェーンテンショナーアジャスター下方)となり、かなり限られたスペースになります。ブレーキ系の「油圧スイッチ内臓バンジョウボルト」のようなものが、最もシンプルになると考えましたが、ネジ部がM8と細いため頭頂部の重さに耐えられない可能性が高く、オイルボルトで「挟み込むタイプ=板状」にしました。
 オイルボルトの中空孔を通ったオイルを、横にずらしたホース取付ネジ穴M8P1.25)に横向きに流しつつ分岐させ、センサー取付ネジ穴PT1/8)に通すように直角に配置(画像参照)しました。各々のネジ穴が、非貫通ネジ穴ながらも最低限はネジ長を確保出来るように、板厚を12mm(ドリル下穴先端は深さ11mm)としました。もっと厚い方が確実なものになりますが、重過ぎる恐れがあり、今回は12mmで作ってみました。材質はアルミ2017材です。

 通路や各部の配置だけ可能な設計ですので、実際に取付けた際には周辺に干渉するだろうと思われます。取付作業にかかった時に現物合わせで追加工する予定です。

※画像に写っているセンサーは、仮設置用に加工を施したテンプセンサーで、製品の油圧センサーではありません。 
※今回、テーパーネジ(PT1/8)タップを始めて使いましたが、非貫通の下穴だとあまり太い所まで入らず、センサーの固定(センサーの個体差で太さに違いがあるため)に心配が残りました。
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