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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

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リヤマスターシリンダー換装&ステップ位置変更・SR

2023-02-18
①Rステップ&ブレンボ製マスターシリンダー
②リザーバータンク側
③Lステップ
④後出しブレーキホース(再利用)
 昨年、ブレンボ製フロントマスターシリンダー(RC390・隼など)のオーダーを受け、卸販社さんのサイトで調べていて目についたのが「リザーバータンク一体型リヤマスターシリンダー」でした。タンクホースなどを無くして、シリンダー本体とリザーバータンクを鋳造で一体成形した製品です。これなら、ステップ周りがスッキリとしそうで、面白そうだと思いました。
 リーズナブルな価格(国産車の純正部品より安い位)や、キャスティング(鋳造)製であることを考えると、おそらくOEM(メーカー不明)品だと思われます。シリンダー径13mmで、わりと互換性(純正品には1/2インチや12mm径が多い)が高いので、使える車種も多かろうと仕入れて展示していました。

 サイズとしては互換性は高いものの、一番の特徴である「一体型タンク」では、タンク(マスターシリンダー)が直立に近く設置されなければならないため、ステップ周りのレイアウトはかなり限定されます。※一般的にスーパースポーツ系は前倒し・ネイキッド系は後倒しのレイアウト(フレーム形状による)です。よく考えると、意外と装着可能なバイクは、多くは無さそうでした。

 それならと、しばらく展示した後に、当店のSR(現状ZXR400純正1/2インチ)への装着を試してみることにしていました。SRは多くのネイキッド系と同様に、アンダーフレームがリヤショックアブソーバー取付部へと続くフレームですので、マスターシリンダーを直立させるとフレームに被る位置になります。ただ、狭目のピボット幅なので、何とか出来そうだとは考えていました。作業はシーズンオフになる頃を予定していました。

 そうしていたところ、別の点でもステップに関して仕様変更の必要性が出てきました。2022シーズンの終わり直前に、リヤショックアブソーバー(ナイトロン製)の換装をして走行(結局1回きりでしたが)したところ、それまでより荷重をしっかりと掛けることが、出来るようになっていました。より積極的な体重移動も可能になった結果、ステップ位置を少し変えてみたくなりました。

 そこで、ステップ位置の変更をしつつ「ブレンボ製リヤマスターシリンダー」の装着出来る「ステップセット」(ステッププレート&マスターシリンダーブラケット+プッシュロッド)を製作することにしました。
 ステップバーの位置変更は、約1cm高く設定し直しました。もう少しとは思いましたが、とりあえず足が離れないようになれば良いので、あまり一般走行で、膝がきつくなり過ぎないようにしました。

 ブレンボ製リヤマスターシリンダーの設置に当たっては、当初のイメージでは、リザーバータンク側がに背負うようにレイアウトすることを考えていました。ところが、そうするとブレーキホース取付部(シリンダー本体側頭頂部)がタンクより下がった位置になり、ブレーキホースの取り廻しがタンクを迂回するように接続しなければならなくなってしまいます。違和感は有りましたが、前後を逆にしてタンクフロント側になるように設定し直しました。

 プレート・ブラケット以外に、プッシュロッドを製作しました。国産車のリヤマスターシリンダーのほとんどが、プッシュロッドごとピストンストッパー(サークリップ)でシリンダー側に装着しているのに対して、「ブレンボ製」はプッシュロッドは含まれない構造(おそらくOEM品として汎用性を上げているのだと思われます。)になっています。プッシュロッドは、ペダル側にのみ連結されることになります。ロッドはピストンを押す棒状(調整用のネジは必要)であれば良いので、構造はそれほど複雑なものではありません。ブレーキペダルとの連結にピロポール(M6メス)を使うのは変わらないため、通常のM6ボルト(ステンレス製)の頭を削り落として丸く仕上げて出来上がりです。
 プッシュロッドがマスターシリンダーに固定されないため、ペダルが持ち上げられると、そのままロッドが飛び出てしまうので、ペダル上側にストッパーを設ける必要があります。丸棒材を切り出したカラーですが、中心をずらして偏心させたボルト穴にして、ペダル高さを調整可能にします。

 リヤマスターシリンダーの変更によっての性能への影響は、ほとんどありません(フィーリングに少し変化があるはずですが、足の感覚では感じ取れるほどではないでしょう)が、あまり見慣れないルックスにはなって、良い感じに仕上がった(個人的に)と思います。
 懸念していた「フレームと被るマスターシリンダー」のレイアウトによる影響ですが、ステップバー&ブレーキペダルを、前仕様よりmm外方向に出すだけで干渉を避けることが出来ました。キックペダルの踏み込みやライディングにも問題無く使えるように出来上がりました。

 



 
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