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カスタマイズ

カスタマイズについて

パドックⅢでは、豊富なレース活動で得た技術と経験を元に、お客様のご要望に最適なカスタマイズとなるように取り組んでいます。また、バイクの走行性能に限らず、安全性能や環境性能・保安基準などを含めた取組みで、安心してお乗りいただけるバイク作りを目指しています。

パドックⅢ カスタマイズ計画

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オートライト回路Ⅱ

2021-01-10
①割り込みハーネス
②ライトリレー
③レギュレータ~ハーネス
④三相全波整流回路(実験)
 オートライト回路について更に考えてみました。やはり、エンジン稼働時のみ、ヘッドライトを点灯させることが出来ないか?と。

 考え方としては、引き続きジェネレーターの発電を利用する方向で考えて、試行錯誤しました。
 まず、考えたのは、カワサキ車を参考にした回路(回路Ⅰ)の変化形です。「回路Ⅰ」では、一相分(一般のジェネレーターは三相)を半波整流した電気(パルス状の飛び飛びの電気)で瞬間的に作動したリレーを、ライトに流れ始めた電流で保持していたところを、ジェネレーターからの電流だけで作動し続けられるようになればと考えました。そこで、三相とも分岐させて三相全波整流にすれば、かなり一定の電流を取り出せるのではないかと考えて実験(画像④)してみました。

 そしてこの段階で、大きな考え違いをしていることが判明しました。この回路を組み込んでもリレーは作動しなかったため、リレー入力電圧を測定する(エンジン稼働中)と電圧が検出されず、ジェネレーターから分岐させたカプラーでの端子間電圧(交流)も出ていませんでした。(「回路Ⅰ」の製作時にリレーの作動が確認出来ていたため電圧を測定していませんでした。)では「回路Ⅰ」でリレーが作動するのは何故か?ということになりました。考えられたのは、確かに瞬間的に電流が流れるものの、それは発電の始まった電気がレギュレーター内を完全に流れるまでに、若干のタイムラグがあるために、その間だけレギュレーター以前の回路内に電圧が発生し、分岐させた配線にも電流が流れるのだろうという事です。瞬間的なので一相半波整流で良かったのでしょう。試しにエンジン稼働中に「回路Ⅰ」を接続しても、リレーは作動せずライトは点灯しませんでした。※この分野に詳しい方なら、すぐに判ったのでしょうが。

 そうなると、充電(発電)系を利用するには、レギュレーターからバッテリー(または間に接続されるメインハーネス)に出力された電気を使うしかないと思われました。バッテリーを充電しつつ各電装系に電力供給している部分なので、流れる電流が大きい上、充電不良など不具合の起きるリスクも有りますが、この方向性で引き続きやることにしました。
 レギュレーター~バッテリー間に逆流防止のダイオードを設けて、レギュレーターから出力される電気のみをリレー作動コイルに接続する回路を製作してみました。スペース的に無理が掛かりそうだったので、割り込みハーネスを作りました。各配線は電流量に合わせた容量のものを使用したものの、用意していたダイオード(MAX=1A&6A)では容量不足だったので6Aダイオードを2つ並列接続して実験用としました。

 結果は狙い通りに、エンジン稼働時のみライトを点灯させることが出来ました。(キックでの始動失敗の場合に消灯)バッテリーへの充電もしているようですが、充電電圧は0.7~0.8V程度低下していました。ダイオードの抵抗により、電圧降下したようです。とは言え、これで回路としては良さそうなので、ダイオードの更に大容量(15A位)のものに換えて完成させることにしました。
 ダイオードを探していると、ちょうど15A(45V)容量の「ショットキーバリアダイオード」というものが有りました。電圧降下が小さいという特徴を持つようなので、最適だと思い採用して、割り込みハーネスを組み直して「オートライト回路Ⅱ」の完成形となりました。充電電圧の電圧降下は約0.2Vに抑えられて、より望ましい結果が得られました。

ショットキーバリアダイオードは一般的なダイオードに比べて、電圧降下も小さく大電流の回路に適しているようですが、発熱が大きいため放熱環境を整えることが重要なようです。この度は、ケースに収めず、ほぼ露出させているので大丈夫だと思われますが、慎重に観察をする予定です。 
 
 

オートライト回路

2020-12-27
オートライト回路
リレーとダイオードの配策
メインスイッチ「ON」
エンジン「始動」
 1998年の法改正(道路運送車両法)により、2輪車ではヘッドライトの常時点灯が義務付けられました。それ以前から採用されていた車種も多く在りましたが、実はその点灯させる方式は各メーカーや車種により様々です。
 ホンダ車(キャブレター車)で多いのが、メインスイッチをONにするとヘッドライトが点灯し、スタータースイッチ(セルモーターの)を押している間は消灯する方式です。他には、メインスイッチをONにしても点灯しないで、エンジンが始動されると自動的に点灯する方式もあります。この方式を2輪車における「オートライト」式としています。※明るさ感知ではありません。
 
 ヤマハ車でも、この方式になっている車種は有りますが、当店のSR(2001年型)ではなっておらず、メインスイッチをONにすると、ヘッドライトが点灯したままになります。(※2003年型以降で採用) SRはセルモーターが無い上、点火方式がバッテリー電源と関係しない「フライホイールマグネトーCDI」と採用しているために、影響が少ないだろうと判断して、そうしたのだと思われます。当店のSRは、イグナイター(点火系)にバッテリー電源を必要とするPOSH製に換装した際、エンジンが実際に始動するまでの電圧降下を防ぐために、ヘッドライトスイッチを取り付けていました。エンジン始動後点灯するようにしていましたが、これでは保安基準不適合なので、「オートライト」式にすることにしました。
 
 市販の製品を探したところ、ディトナ社の製品を見つけましたが、ライトリレーの作動に、プラグコードの電磁波パルスを利用するタイプでした。タコメーター(ディトナ製)の作動用にすでに使っていたためスペース的にも無理があり、他の方法にすることにしました。他社製品が有ったかも知れませんが、この際なので自分で作ってみることにしました。
 参考にしたのはカワサキ(キャブレター仕様)車のジェネレーター(発電機)からの電気を利用する方式の回路(※ヤマハ車はリレー作動をイグナイターで制御)です。 実際のカワサキ車の回路ではライトリレー回路とスターター回路を連携させたものですが、そのライト側のみ抜き出した回路を作ってみました。この回路は、三相交流の一本の配線から分岐した一相分をダイオードを介してリレー作動コイルの✙(-はアース)へ接続、リレースイッチ側は、✙電源からヘッドライトディマスイッチ(Hi/Lo切替)へ流れるように接続させるとともに、途中で分岐させた配線をダイオードを介して、もう一度リレー作動コイルの✙へ接続するものです。
 製作途中では更にシンプルなものも試しながらも、上記の回路で成功して、エンジンが勢い良く回転して発電を始めるとライト点灯することが出来ました。作動は、ジェネレーターに発生した電気(半波整流した直流)で瞬間的にリレーを作動させ、ライトへ流れ始めた電流を、リレー作動コイルへも流すことで、作動状態を維持し続けるといったことです。
 
 この回路の欠点は、勢い良くキックして、結果的にエンジンが掛からなかった場合でも点灯状態になってしまい、一旦メインスイッチを「OFF」にしないと消灯出来ないことです。
※キック一発で始動させるのは簡単ではないので、その都度メインスイッチに手を伸ばすのは、けっこう負担(面倒)になります。セルスターター始動の車種であれば、それほど苦にならないと思いますので、´90年代後期~´00年代位のヨーロッパ仕様車(ライトON/OFFスイッチ付)などに応用出来そうです。
 
追加作業
 当面の負担軽減の対策として、これまでヘッドライトスイッチとして使用していたものを、主電源のON/OFFスイッチ(言わば第2メインスイッチ)となるように割り込ませました。これでハンドルを握ったままで、メインスイッチ(第2)の操作が可能になって、素早くキック動作を繰り返すことが出来るようになりました。 
 

サイドスタンド加工

2020-11-22
 パフォーマンスダンパーを装着した勢い(?)で、SRのサイドスタンドに加工を施しました。
      
 足周りのカスタマイズ(車高UP/DOWN)をした車両では、サイドスタンドの長さが合わなくなることが有り、延長/短縮加工を施して対処しています。また、バックステップなど、ステップ位置を変更した際には足(かかとやつま先)を掛けるフックの位置が合わず、スタンドを出し辛くなることも有ります。その場合には、フック部の加工をして対処します。
 当店のSRでは長さには問題無かったものの、ステップ・ペダル位置の影響で足を掛け辛くなっていたのですが、そのままにしていました。そのうちに、フック先端を擦るようになったため曲げて応急措置としてバンク角対策を施しました。そのため、着座のままではサイドスタンドを出すことは完全に不可能になり、バイクより降りてからスタンドを出して(それでも探りながら)いました。不便を感じながらもなかなか手を掛けずにいましたが、勢い(?)もついたおかげで着手することが出来ました。
 
 通常こういった加工では、標準のフックを切除して新たなフックを溶接して付けていますが、今回は偶然にも曲げたフックを支えにすることで、最適な位置・角度・長さを割り出しやすくなっていたため、残しておき本体との2箇所を溶接して取付ける構成にしました。かなりの長さを必要とすることが分かったので調整巾を持たせるため、少し短めのM8ボルトを溶接して取付け、ロングナットで最終的な長さ調整をするようにしました。
 
 スタンドを出した状態では、邪魔な感じに見えますが、格納するとバンク角やペダルワークに影響は無く、着座のままサイドスタンドを出せるようになりました。ちょっとしたことですが使い勝手が良くなり、やはりたいへん楽です。
 

パフォーマンスダンパー

2020-10-31
 近年のヤマハ用品カタログ(ワイズギヤ)に登場していて、気になっていた物が、パフォーマンスダンパーでした。4輪車では既に採用されていて好評で、2輪車ではヤマハが初めて実用化したそうです。
 
 形を見ると、ステアリングダンパーのようにロッドが移動する際にオイルの抵抗で減衰力を生ませるものを想像しましたが、それとは違うようでした。どちらかと言えば、ゴム製の各部のマウントダンパーのように弾力によって振動や衝撃を伝えないタイプに近い物なのかなと考えてみました。カタログの説明には、車体制振によって走行安定性を良くすると記述されていましたが、どういうことなのか良く分かりません。さらに読むと、エンジンの振動や外力を受けたフレームは、たわみながら細かく振動しているので、それを抑えてやると安定性を良くするらしい。紹介動画も見てみましたが、「しっかりした・重量車のようだ」などとインプレッションがありました。良くわからずとも、良い評価なのは確かのようです。
 
 いずれにしても、ハンドリングに影響を与えるようなので試してみようと思い、KITの有るSRに装着してみる事にしました。8月初旬に発注したものの、ちょうど欠品中で入荷が遅れ9月末になってしまいました。現物を見ると、ダンパー本体はなかなか重量のあるもので、手で伸縮出来るようなものではありませんでした。前後ブラケットは鉄製の板材でしたが意外と華奢な印象です。装着は、前側ブラケットをフロントエンジンハンガープレートのフレームへの取付ボルトで共締め、後ろ側はリヤアッパーエンジンマウントに共締めして取付けるようになっていました。SRでは、ちょうどシリンダー左に沿った形で装着完了です。(画像1・2)
 
 まずは店舗周辺を街乗り程度に試運転に出かけてみました。40~50km/h位の一定速度での巡航ではエンジン振動の伝わり具合も変わりは無く、これといって変化に気づきません。少し速度を上げて軽いS字カーブを走ると全体にスムーズになった気がしましたが、距離が短かかったため、日を改めて走り込むことにしました。
 
 次の走行では時間をかけて、自動車専用道やワインディングなど、いろいろなシチュエーションで走らせてみることが出来ました。やはり低速領域ではこれといって感じることは出来ませんでしたが、80km/h前後では直進性を含め、曲がっていく方向性を保つのが楽になっていることに気づきました。俗に『オン・ザ・レール感』と呼ぶ感覚です。通常では、速度が上がると路面の荒れの影響を強く受けて、安定感を乱していたのが、まるでサスペンションが急に良くなったような感じでした。切り返しや倒し込みも、スムーズさが増し切れがよくなっているので、個人的には車体が軽くなって余分な動きが無くなったように感じます。当店のSRはワインディング用にハードよりにセッティングされているので、ギャップや段差に乗って細かく跳ねることも多いのですが、より戻しも素早く収まるようになったようです。 
 しかしながら、ワィンディングにおいて、少しラフに高い負荷を繰り返し掛けてしまうと、これによって剛性が上がっている訳ではないので、大きくしなってしまい収束しないまま次へと移ってしまうようで効果を出せないようです。改めて、一定に負荷を掛け続けるような丁寧なライディングを心掛けて走らせると、なんとか効果が味わえるようです。
 
 走行中の車体(フレーム)が、常に少したわんで戻るを繰り返して振動しているのなら、振動の周波数は元々の剛性や素材の特性によって様々だと思われるので、車種によって最も効果の出るシチュエーションが変わるかもしれませんね。また、SR用KITのブラケットが意外と華奢な板材なのも気になっているので(取付角度の調整で簡単に曲げられたほど)、これをしっかりとしたものに造り替えて、効果の違いが出るのか試してみたいと思います。今後ワンオフ製作予定です。
 
 ちなみに、エンジンの振動の激しいSR(しかもリジットマウント)ですが、こちらの影響の方は、高めのギヤでの特定のエンジン回転数(4000rpm付近)領域でのみフレームに伝わった振動を吸収してくれるようで、ステップやハンドル(固定ステップバーと一体式ハンドルバー)の振動が消えていました。その回転数を維持すればSRとは思えないほど快適でしたが、他の回転数や回転が上下しているといつもと変わらないようです。それでも少し感動しました。※こちらもエンジンやフレームの仕様による違いがあると思われます。
 
 
 
 
 

ポート研磨(2バルブ4気筒)

2020-10-09
   1:吸気側
   2:排気側
3:吸気(インテーク)ポート
4:インシュレーター装着
 2015年にエンジンのオーバーホール・チューンアップ時におこったものですが、車検整備で入庫されたのでこの機会に、ポート加工(ポート研磨)を紹介します。
 4stエンジンは、バルブの開閉により給気通路から燃焼室に入った混合気を燃焼(爆発)させ、排気通路から燃焼ガスを排出しています。この通路(ポート)を高速で流れているため、抵抗が生まれてしまうので、出来るだけ抵抗を減らしてやるのがポート加工です。
 
 基本となる通路形状や口径などは、エンジン全体の設計により決められたものですが、製造コストも考えられているため必ずしも本来の設計通りとはなっていません。主に鋳造での製造時に残る鋳物肌(いものはだ=凹凸)やバリを取り除くために研磨することと、通路内に突き出したバルブガイド周辺を出来るだけ流れの妨げにならない形状(断面形状も考え)に削ることで、抵抗の少ない通路にこ加工します。さらに、カムシャフトやバルブ径の変更などで吸排気効率を向上させるチューンアップをする場合には、それに見合った口径に拡大することで、より高い効果を発揮させます。
 
 画像のシリンダーヘッドは、2バルブ4気筒のゼファー750です。ネイキッド系のエンジンはオーソドックスなホリゾンタルドラフト(横向き吸気)のため、吸気ポートに強い曲がりが有ります。この曲がりの内側を広げて緩やかにしつつ、バルブガイド周辺の盛り上がりで狭くなっている断面積を広げて出来るだけ一定の流れを作るように加工しています。表面の研磨は空研ぎ#600程度までとして、鏡面にはしていません。(鏡面仕上げは流体力学的にかえって抵抗が生まれます)大径バルブにはしていないので、大幅な口径拡大はしていませんが、排気口はエキゾーストパイプフランジ断面にスムーズに繋がるように広げています。
 
 吸気口もインシュレーター(キャブレタージョイント)との段差が無いようにします。ゼファー750のキャブレターは、足元への張り出しを抑えるために横幅を狭められています。そのために、外側の#1/#4シリンダーのインシュレーターを、極端に内側に向けたS字形状にされてしまっているので、吸気効率が悪い上、内側の気筒とアンバランスになっています。そこでこの車両では、外側の#1/#4に#2/#3用のインシュレーターを使い全気筒で同様の吸気通路となるように、キャブレターと共に仕様変更も施しています。※横幅は広がりますが、ライティングの妨げにならない程度です。ポート加工としては、吸気側の重要度が高いので、念入りにエンジン仕様(吸・排気系を含め)を考慮して、加工を施しています。
 
※訂正
  ポート内表面仕上げは、空研ぎ#320でした。
 
 
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