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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ
軽量化(少しずつ進行中Ⅱ)・SR
2026-07-18
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軽量化進行中のSRですが、車体に関しては主にチタン材を使って強度を保ちつつ(または上げて)軽量化を図っています。※64チタンボルトの残る3本(M10mm以上のボルト)のエンジンマウントボルトは鋭意探索中です。
今回は前後の「エンジンマウントプレート(脱着式:前2枚/後1枚)」をチタン材で製作しました。
フレームとエンジンを繋ぐマウントプレートは、双方の取付部の構造によってはフレーム剛性を上げる一助にもなりますが、SRではフレーム側取付部自体の剛性が高くないため、プレートの剛性を上げる意義はありません。そこで、「軽量化に徹した物」を作ることにしました。
基本的には純正と同程度の剛性・強度設定で、それを「チタン材」に置き換えて製作します。くわえて、多少しなる(振動を吸収する)くらいを狙って「純チタン2種材」を用いることにしました。
フロントマウントプレート(プレート自体は左右対称)は、純正(おそらく高張力鋼)4.5mm厚のところを、3mm厚板としてほぼ同形状で製作しています。※左プレートに付属するクラッチケーブルガイドは省略しています。
リヤ右マウントプレート(左側は溶接による固定式)は、純正が複雑な曲げ加工された1枚板+鋼製カラー(外形20mm×内径10.5mm×長さ14mm)だったところを、上側ボルトからエンジンマウントボルトまでのアッパープレート(ごくエンジンに近い内側)と下側ボルトからのロアプレート(外側)の2枚の板材の間に、カラー(これも純チタン2種材)を挟んで3部材を溶接して「一体型」としました。※エンジンとの間に生まれたクリアランスを、1.5mm厚ワッシャで埋めています。
リヤは純正が6mm厚板でしたので、本来は純チタン2種4mm厚板材を用いたいところでしたが、手持ちの材料が無かったのでフロントと同じ3mm厚板としました。想定に対して足らなくなる強度・剛性を補うために、エンジン側(円弧形の外側)に広げた形(内側はフレームに干渉するため)にしました。
※重量比較
●純正:フロントマウントプレート 右92g+左123g(ケーブルガイド付)
リヤマウントプレート+カラー 154g
●チタン製:フロントマウントプレート 40g×2
リヤマウントプレート+ワッシャ66g
※軽量化:純正合計369g-チタン製合計146g=223g
※すでに試走はしていますが、振動の伝わり具合など純正からの変化は全く感じられません。後は不具合(クラック)の発生などを注意して検証していきます。
軽量化(足周り編Ⅱ)・SR
2026-07-01
フロント側の足周りを、シングルディスクブレーキ仕様にすることで軽量化したSRですが、関連して「リヤブレーキ関連」を見直して、リヤ側足周りの軽量化も狙うことにしました。
リヤに関しては、たとえブレーキディスク(回転体)を軽量化出来ても「ジャイロ効果」の低減はあまり望めません(元がフロントに比べて小径で1枚のみ)が、「バネ下重量」の軽減効果は充分に期待出来ます。
リヤブレーキ軽量化には、ウェーブディスク(純正リヤディスクは厚目で同寸法でも軽量化は可能)に、小型・軽量なブレンボ製2Pキャスティングキャリパー(通称=カニ)を組み合わせて換装することにしました。さらにディスクは、出来れば小径化(取付ピッチが同じ別車種用があれば)して、より軽量な物にしようと考えました。
まずは、ZXRのリヤディスク(諸元)を調べようとラインナップの有りそうなメーカーのサイト(サンスター社等)を見てみたのですが、思わぬことが判明しました。
どのメーカーにもフロントは有っても、リヤディスクはラインナップされていませんでした。通常、ブレーキディスクのような部品は数車種で共用されているため、主だったメーカーならば製品化するはずです。製品化をしないということは、専用品と言えるような物で今更作ることはないということだと思われました。
迂闊なことでしたが、これまでにZXRのスペック(リヤブレーキ関係の)を把握していませんでしたので、実車で計測してみることにしました。
測定結果は、ディスク外径=240mm/取付ピッチ(PCD)=120mm(4穴)でした。
以前から、ミドルクラスレプリカ系にしては大き目に見えるなとは感じていましたが、240mm径とは、カワサキではゼファー1100など大排気量ネイキッド系で採用しているような大きさ(PCD130mm)で、 PCD120mmはスーパースポーツ系やミドルクラスで採用しているサイズの組み合わせとなっていて、極まれなリヤディスクでした。
その大きさには疑問を持ちつつも、取付ピッチが判明したところでサイズ設定を、2サイズ小さい「220mm径」としました。
ずいぶんと小さくしたように感じるかもしれませんが、220mm径ディスクはZX10Rでも採用していますので、車重・前後重量配分を考えればこのくらいが適正だと思われます。
ブレンボ製キャリパーは、近年ほとんど走らせていない当店の「RZ」からの移植ですが、キャリパーブラケット(2分割式)のアクスル側ベース部(アルミ2017板材)を、ディスク径の違いに合わせて新たに製作しました。
また、ホイール・スイングアームに合わせたホイールカラー(インナー&アウター=2017材)を製作した上で、アウターカラーをベースプレートに部分溶接(整備性向上のため)しておきました。※2017材は溶接強度がかなり落ちるため溶接不適正ですが、今回は溶接部に負荷の掛からない構造なので、あくまで固定の目的で溶接歪みの起こらない部分を溶接しています。
※重量比較:ディスク+キャリパー(パッド含む)+ブラケット+トルクロッド
●ZXR純正:1200+1100+375+170(純正短縮加工品)=2845g
●換装後: 700+555+250+124=1629g
※結果(軽量化):▲1216g
※220mm径ディスクとブレンボ製2Pキャリパー(旧カニ)の組み合わせで、かなり制動力は小さくなります。自身のライディングでは、リヤブレーキはストレートエンドのフルブレーキ時に掛け始め(車体の安定化)だけに使うくらいなので、今のところ問題ないのですが、制動力をもう少し必要とする場合には、マスターシリンダー径(小径化)かキャリパーピストン径(大径化=新カニには34mmもラインナップ)などの変更を考えようと思います。
※ZXR400のリヤブレーキの「フローティングマウントキャリパーシステム=制動力の反作用でスイングアームが押し下げられ車体後部が持ち上げられる」には、SRのカスタマイズ着手前から否定的(前後17インチラジアルタイヤの定着したレプリカ系・SS系にはデメリットが大きい)に捉えていて、カスタマイズ当初からトルクロッドをスイングアーム(フローティングキャリパー式はフレーム)に連結することで「リジットマウント=制動力の反作用で車体後部が下がる」としていました。
大径リヤディスクとフローティングキャリパーの組み合わせを採用したZXR400は、当時としても少し時代遅れなリヤブレーキの設計(フロントブレーキは先進的)だと感じられます。
軽量化(足周り編)・SR
2026-06-02
ここのところ「軽量化」に取り組んでいるSRですが、以前からやってみたいと考えていた「足周り」の軽量化に向かうことにしました。
´91ZXR400の前後足周りをそのまま(フロントキャリパーはブレンボ)換装しているので、それなりには軽量な部類ですが、様々なパーツが販売されている近年では更に軽量に出来るのではないかと考えていました。
最も望ましいと考えていたのは、「ホイール」です。ホイールの軽量化は、車体の軽量化と同時に「ジャイロ効果の低減」と「バネ下重量の軽量化」が図られてハンドリングに好影響をもたらします。特にフロント側は絶大(車体のバンクスピードが上がると共に前輪の舵角の追従性が高まり、特に初期旋回が良くなります)ですので、フロントホイールだけでもなんとかしたいと思っていました。
ところが、´90年代レプリカ系(ミドルクラス)の軽量ホイール(出来れば公道使用に適していて比較的安価な鍛造アルミ製)はほとんど販売されてなく、いずれ販売されるかもと待つことにしていました。未だにその情報は無いため他車種用の流用も考えましたが、サイズ設定を含めてもう少し試したいことも残っているので、今回は別の方法で足周り軽量化を図ることにしました。
着目したのは「ブレーキディスク」です。ホイールほど効果は大きくはありませんが、同じように重量物の回転体ですから、それなりに期待は出来ます。
ただ各社ディスクを調べましたが、基本的にビッグバイクへの装着を前提に製作されているため、厚さが薄い物でも5.0mmでした。これでは、ZXR純正(標準値4.5mmで現在摩耗限度に近くさらに軽量化?されています)より厚くなり、ウェーブディスクのように削り込んだ形状の同径品でも軽くはならない(かえって重くなるくらい)と考えられました。
軽量ディスクが見当たらないまま、考え付いたのが「シングルディスク化」です。
現状のSRでは、「310mm径ダブルディスクブレーキ」の最大制動力を発揮させることは無く(出せるスピードも低く運動エネルギーが小さい)、最大制動力を下げてでも軽量化を優先出来る状況だと考えられました。
小径ダブル(回転体の径が小さくなると同じ重量でもジャイロ効果は小さくなります)も考えましたが、キャリパーを含めてバネ下重量をも軽量化出来るシングルディスク仕様を試すことにしました。
シングルディスク化をするにあたっては、当然制動力不足に陥る怖れはありますので、シングル仕様での最高レベルのスペックを目指した構成にしました。
●ブレーキング製ウェーブディスク(320mm)
●ブレンボ製ラジアルマウントキャリパー(2ピース/4ピストン)
●ブレンボ製RCSラジアルマスターシリンダー(14mm径)
●メタリカ製スペック03パッド(レース用カーボンシンタード)
●ワンオフ製作キャリパーサポート(アルミ2017材)
キャリパーサポートの製作にあたっては、これまで3次元の精密な加工が必要な場合、加工屋さんに図面を元に製作してもらっていました(自店にフライス盤を持っていないため)が、ダブルディスクに戻す可能性があり無駄になるかもしれないので、今回は自分で製作してみることにしました。
手作りに近い製法なため、精度は完璧とは言えませんが、なんとか実験が出来る程度にはすることが出来ました。※ラジアルマウントキャリパーを採用したのも、キャリパーサポートの製作が自店で可能そうだったのが1番の要素(中古品を在庫していました)です。
パッドの当たり面も僅かにはみ出るくらい最外に設定し、有効半径を限界まで大きくした設計(はみ出る分は面取りを施します)をしました。
マスターシリンダーはRC390に装着していた物を移植しましたが、RC390でも制動力をより高めるために径の小さ目(パッドを押す力は大きくなり、レバーの引き代は長くなります)な14mm径としていましたので、実験には最適でした。
※これ以上の制動力にすることは現在では考えられない構成ですから、もし制動力不足が許容出来ないと判断したなら、即時にシングルディスク仕様を諦めることになります。
今回、軽量化は相当大きく達成しましたので、こちらのメリットには大きな期待を持てます。あとは試走の結果次第ですが、制動力の可否を含めてしっかりと走り込んで判断したいと思っています。
※重量比較
ダブルディスク仕様 / シングルディスク仕様
ブレーキディスク: 3.0kg(2枚) / 1.7kg
キャリパー(パッド付):1850g(2個) / 1090g
キャリパーサポート: 160g(2個) / 225g
合計: 5010g / 3015g
(1000gを超える物を測るのにはアナログ体重計を用いましたので、大体の計測値です)
以上の仕様変更で、約2kgの軽量化を果たすことになりました。
まだまだ最高出力の低い当店のSRだからこそ試すことの出来る「シングルディスク化」です。それでも、この仕様を試すことを思い付けたのは、現代の技術によって作り出されたブレーキ関連製品が在ればこそです。改めて凄い進歩だと感じています。
軽量化(少しずつ進行中)・SR
2026-04-26
ここのところ、チタン材を用いた各種部品を製作して軽量化を図っている当店のSRですが、実は昨年の走行会以降ワンオフ製作品とは別の所で、少しづつ軽量化を進行させています。
それは、チタン材の製品ではポピュラーな「チタンボルト(64チタン合金製)」に差し替える軽量化です。
チタンボルトが市場に出始めた頃から注目していたのですが、何せ高価なものですから、試しに自分のRS250用に「M6mmボルト」を数本購入してみるのが精一杯でした。※当然のことながら、ボルト類は細く・短いほど安価ですが、当時M6-25mmでも1000円/本程度はしました。
実際に手に取ると、その「軽さ」に驚いたものでした。もちろん、M6ボルト10本程度(Rケースカバー用)使ったところで、軽量化としては微々たるものですが、可能性としては大きい(作業が交換するだけということもあり)ものが有るだろうとは思いました。※当時、RS250の全てのボルト・ナットをチタン製に交換すると、およそ40万円のコストで、2kg程度軽量化出来る(不確かな記憶です)と言われていました。
その後は多少価格を抑えたメーカーが参入されたものの、しっかりしたメーカー品はまだまだ高価で、簡単には手の出しにくいものです。
それでは、SRの軽量化の為とは言え、その高額なコストを掛けているのかというと、そうではありません。
きっかけは、キックペダル製作のため「64チタン丸棒材」の検索をした際に、種々の「チタンボルト」が表示されていたことです。そのチタンボルトの多くは驚くほど安価(メーカー品と比較して)でした。
当然のことながら、それらは「C国製」らしいのはすぐに分かりました。当初は、その材質(合金成分外の不純物)・精度など疑念があり、あまり興味も持たずに過ごしていました。
前述の疑念は本来の目的の「材料」にも当てはまるものですが、製作には欠かせないことと、たとえ多少不純物の混入があったとしても「64チタンに分類される物」であれば、とりあえず「十分な強度」(規定の64チタン材は一般的な鋼材の約3倍の強度)があるだろうと考えて購入に踏み切りました。入手した材料の材質を精密に調べることは不可能ですが、加工(切断・曲げや穴加工)すると、その硬さから強度の高さは判断(純チタン2種材と比較しても相当硬い)出来ました。
同様に考えると、その安価なチタンボルトも「使える」ものではないか?と考えるようになりました。
チタンボルト(あくまでもC国製の製品が前提)に換装するにあたって、精度の不安と軽量化の効果の大きさを合わせて考慮して、M10mm以上のボルトに絞る(実際に使っているのはM12mmまで)ことにしました。
効果に関してはもちろん(少ない本数で大きな軽量化)ですが、精度に関しても10mmネジ位太ければ、多少精度が悪くとも雌ネジとの嵌め合いへの影響が少なくなります。※一応事前に純正ナットを嵌めて確認はしています。
換装を始めた当初(サブフレームやパフォーマンスダンパー固定用)は、元のボルトと同寸法(またはコストを考慮して少し長目のボルトでまとめ買い)の物を購入して交換していたのですが、エンジンマウントやリヤサスペンション(リンク式モノショック)関連に手を付けようとした際に、問題に当たりました。
純正のボルトは「専用」はもとより「一般」タイプでも「首下=座面から先のネジ先端まで」は、ネジの切られていない少し太い「胴」の部分と先端付近の「ネジ部」で作られています。
特にリヤサスペンションのリンク関連のように両端を挟まれて支える構造では、ボルトに大きな「せん断力=ハサミのように僅かにずれて挟み切るような力」が発生する所には、両端の部材まで「胴」の部分で渡して、大きなせん断応力に耐えられるように設定されています。また位置決めの目的も果たしています。
市販のボルト(鉄・ステンレスボルトなども含む)は、全般的(各々のメーカーで多少の違いはありますが)に使い回しが良いように、ネジ部が長く・胴の部分が短めに作られています。これでは元の純正と同寸法にした場合、胴の部分が全体に渡らなくなりネジ部にせん断力が掛かることになってしまいます。
また、リヤショックアブソーバー上部マウントプレート(ワンオフ品)のフレームへの取付には、首下17mm(M10mm)と短いながら胴の部分が有る特殊なボルト(カワサキ純正流用)を使って位置決め効果を持たせています。※純正ボルトでも一般タイプでは、この長さでは首下は全ネジになります。全ネジでは座面との境に応力が集中して胴有りに対して強度が劣るということもあります。
そこで、「胴の長さ(詳細な寸法が明示されていない場合は画像から推測)」を基準に、長目のボルトを購入しました。取付箇所によって「突き出し」が邪魔(干渉など)になるものは、余分なネジ部をカットして短くすることにしました。
ネジ先端部分をカットするにあたっても、頭部分が複雑な形状のボルトの「固定」には工夫が必要となりますが、なんとか確実に固定する方法を見つけ、切断することが出来ました。※64チタンはとても硬いため切断砥石ではなく、バンドソーを使う方が望ましいことも再確認しました。
※現時点で、M10mm以上のボルトでチタン化されていないのは、エンジンマウントボルトの3本(全4本)となっています。この3本は長い(100mm超)ため、そうは見当たらず(在ってもたいへん高価)気長に探そうと思っています。
※画像⑦がここまで交換した元のボルトです。総重量が約1250gでしたので、チタン化によって約600gの軽量化が出来た計算(チタンボルトは個別に重量を測定していないため比重で計算)です。
※軽量化を狙ってチタンボルトへの換装をしたのですが、ある意味、「無駄な強度」を持たしたとも言えます。本来(設計上)「必要な強度」を計算して純正ボルト類は設定されています。それ以上の強度は特には必要ないため、64チタン合金を素材とするのであれば、ギリギリまで中空にそぎ落としたものなど、構造的に強度を純正並みに落として、さらに軽量化をさせたものが理想的だと思います。(信頼出来るメーカー製でなければ手は出せませんが)
※あまり信頼のおけない(個人的感覚です)ボルト類だと仮定して、取付前の確認(純正ナットの回り具合やネジ頭周囲の肉厚)をした上で、最終的には締める手応えで使える物か判断しました。通販サイトでは安価な製品が多種販売されていますが、同様に考えられた方は、自己責任で良く判断してください。
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チタン製サイレンサー製作・SR
2026-04-04
一昨年・昨年と2回の走行会(岡山国際サーキット)を走らせた当店のSRですが、エンジン出力に直接関係することに関しては同一の仕様で走らせて、現状での最高速や加速力を確認することにしていました。
昨年の走行会でようやく最高速の確認(デジタルスピードメーターの目視で163Km/h)も出来て、まずまずの結果にひとまず満足しました。
そこで今期に向けては、もう少しパワーの上乗せをはかることにしました。とは言え、エンジン本体に関してはもう少し後にすることにして、排気系に手を加えることにしました。
現状、エキゾーストパイプは独自にワンオフ製作していますが、サイレンサーは車検(保安基準)を通せることを条件にしてきましたから、無難なBEET製(他車種用JMCA94db対応品)を流用していました。※このサイレンサーでもSRでは保安基準にあまり余裕はない状態(当店計測値97db台後半)です。
以前にワンオフ製作することも考えましたが、先に製作したRC390用が想像以上に音量が大きくなってしまい、同様の作り方ではより排気量が大きい(測定時の回転数は低いものの)SRではとても車検を通せないと思い断念していました。
その後、いくつか作らせてもらった物の中で「グース350」用に製作したサイレンサーが想定以上の良い結果(音量と抜け具合のバランス)を得られたのが新たなノウハウとなりました。
1気筒である程度大きい排気量の場合、炸裂音が大きく出ているようで、総排気量でははるかに上回る1000cc超の4気筒車よりも排気音量が大きくなる傾向があります。RC390では手始めに、内径42.8mmのパンチングパイプと最大径100mmと110mmの砲弾型シェルを組み合わせて、2種類のサイレンサーを製作してみました。その結果が「かなりの音量(110mmでも)」となってしまい、インナーサイレンサーを追加してようやく走らせられる程度になった状態でした。以降、サイレンサーの製作依頼時に、この110mm径サイレンサーを試着し音量を確認してみると、大排気量車であっても程よい値(99dbをいくらか上回る程度)に収まっていて、全体の容量の増減(パンチングパイプは同寸法)とエンドバッフル装着で、排気効率と音量のバランスを図っていました。
グース350で今一度1気筒(RC390とは排気量・最高出力回転数とも同程度)用を製作することになった際に、パンチングパイプを1サイズ細く(内径38.1mm)してみることにしました。シェル長を若干長くした上でエンドバッフル装着を前提に製作したところ、音量が95db台/4500rpm(当店での測定値・バッフル付)まで抑えられていました。
結果として、1サイズの違いですが、消音効果に大きな差があることが分かりました※排気効率への影響は、直接比較をしていないため不明です。
そこで、SRでも同じ手法で製作すれば良いのではないかと考えていました。
SR用の製作に当たっては、これまでの形状とは違う物にしてみました。
これまでは、「巻き」の制約からテーパー管と円筒管を溶接した「砲弾型シェル=フロントピース一体型」にしていました。この度は、「シェル」は円筒管のみにして、フロントピースを独立させて、一般的な前後でリベット止めにするタイプにすることにしました。
ただ、入手可能な素材(チタン2種1.0mm厚板材)が250mm幅なので、シェル長は最長で250mmとなりますから、最もポピュラーな平板状の前後ピースでは短か過ぎることになります。
そこで、前後ピースともテーパー状(フロント=30mm/リヤ=60mm)にして容量をかせぐ形状(魚雷型?)にすることにしました。テーパー部がかなり急角度になるため、現在使用している道具(簡便的な手動ローラー)では真円に巻くのは難しくなり、技術的なチャレンジでもあります。
結果はやはり真円には巻ききれず少しいびつになってしまいました。ほぼ真円に巻けたシェル差込部材との間に隙間ができてしまったため、この部分の溶接は全周ビードを盛る方法にして溶接でカバー(溶接自体も難作業ですが)しました。
完成したサイレンサーでさっそくエンジンを始動させてみると、程良い排気音(音量・音質)をさせていました。少し暖機運転させて音量を測ってみると、98.5db/3500rpm(バッフル無)でした。検査場での本検査器との差を考慮するとギリギリ不合格(99db以下)になるか?といった音量です。エンドバッフルを装着する加工も施していますから、装着すれば3~4db落とすことが出来ますので、楽に保安基準を満たします。
※完全ストレート排気(若干細目とは言え)にはなったサイレンサーで、いくらかでも排気効率を上げ出力(特に高回転での)を上げられているのか?楽しみにしています。
※BEET製サイレンサーはJMCA対応に特徴的な「パルスコーンシステム」とされています。パンチングパイプは入口広目・出口細目のテーパー管で中間部に2重パンチングパイプの構造(消音材も独特)です。良く考えられた物ですので、音量が少し上回る程度になったサイレンサーで、出力特性に違いが出るのかも確認したいと思います。
※余談ですが、連結パンチングパイプ(画像⑥)には特別な意図はありません。自店SR用ということで、もったいないので、これまでに出た余りを繋いで使用可能な長さにしただけです。ステンレス製0.8mm厚パンチングパイプの突合せでのTIG溶接です。




