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2025サーキット走行記・SR
2025-12-22
大きな仕様変更はしないで,「2025走行会」に持ち込んだSRですが、当日は気温は低目とは言えドライコンディションは続きそうでしたので、「現状ベスト」を引き出してやることを個人的な目標としてのぞみました。
昨年の走行会で、エンジンは「8000rpmまで使った走行」でも若干油温が上がり気味(105℃)になったものの、トラブルの兆候もなく走れることが確認出来ました。
今年に向けては、油温を適正に保ちパフォーマンスを維持するための「オイルクーラー装着」と、いくつかのコーナー手前で吹け切り気味になっていたのに対処してファイナルレシオ(2次減速比)を変更(リヤスプロケットを44Tから43Tへ)しておきました。
この設定で、エンジンの心配(オーバーヒート&回り過ぎ)をすることなくライディングに集中しようというのが今回の狙いでした。※あとはライダー次第です
さて、当日はレポートでも紹介しましたが、前週までの暖かさから急に寒くなり、1枠目が開始時間では12~13℃しかない気温の中始まりました。3周の慣熟走行ではオイル(コアガードは装着状態)もタイヤも暖まらない状態は明らかでした。
不安を感じつつフリー走行のコースインをしましたが、昨年から使っているタイヤ「Q5」は低温特性が良く多少負荷を掛けてやるだけで暖まりも速いのは感じられ1ラップ目から手応えが良くなる(個人的感覚です)のが伝わり、2ラップ目からでもイケると思い自らの気分は上向きでした。
ただ、それも束の間で、やはりタイヤ(路面温度)の影響からか、フリー走行1周目に複数転倒されてしまった方が出てしまいました。赤旗中断を挟んで再スタート時には、もう一度気を引き締めつつタイヤのウォームアップをやり直し、徐々にペースアップ(エンジンがそこそこ暖まったところで8000rpmまで使って)を図りますが、周囲の方も含めてなかなかハードには詰められないで1枠は終わってしまいました。
この1枠では、エンジン(シリンダー温・油温)の状況と回転の繋がり(ファイナルレシオの設定)を確認することは出来ました。シリンダー温は適度(80℃台前半)に上がったものの、油温は終了間際にようやく81℃に上がってきた状態でオーバークール気味でした。※2枠に向けてもコアガードは必要なのは明らかです。
コーナー手前で吹け切る様子はなく「回り過ぎ」の心配は無くなりましたが、やはり立ち上がりでの加速力は若干落ちているようで、ライディングでどこまで詰められるか?がカギだと分かりました。
2枠目でも開始早々に赤旗が出てしまい、コースコンディションはそんなに悪くはないものの、メンタル的になかなか厳しいところから始まりました。※おそらく他の参加者の方も同様だったと思います。
それでも徐々にペースをを上げて、終盤にようやく2'06″台に乗せることが出来ました。油温は80℃台前半で午後になってもそれほど気温が上がることは無さそうなので、3枠目でもコアガードは装着して走ることになりました。
午後の3枠目開始時には少し気温が上がって17℃(路面温度は推定22℃位)にはなっていました。充分とは言えないものの、いくらか寒さを感じない程度にはなって走りやすくなってくれました。
タイヤは2周目からでもイケる手応えは出ていましたが、念のため3周目から全力走行に入りました。加速力不足を補うように早めにスロットルを全開に出来るような組み立てを意識して走りましたが、序盤はなかなかタイム短縮は難しく06″台を行ったり来たりが続きました。
終盤を迎えて走りのリズムも良くなってきて、ようやく何度か05″台に入れられるようになり、もう少しイケそうと思ったところで本日最後のチェッカーフラッグを受けました。
昨年に続いての2回目のSRでのサーキット走行ですが、昨年と同じ2'05″台までしか出せずに終わり、人間(ライダーとしての)の成長が無かったことを実感してしまいました。
来年に向けては、少しはSRのパフォーマンスアップ(バイク頼り?)を図り、目標の03″台に近づけるようにする予定です。
※3枠目でも油温は85℃までしか上がらず、若干適温よりは低目となりました。主にこの走行会に向けて装備した「オイルクーラー」でしたが、コアガードも付けたままで今回の気象条件(曇り:最高気温17℃)では活躍しませんでした。
加えて、「コアガード」も冷却フィンの範囲を覆うだけのプレートでしたので、サイド通路やホースが走行風に当たるだけでも冷却効果が出てしまったようです。コアガードもコア全体を覆う物も用意しておこうと思います。
パフォーマンスダンパーブラケット製作・Z900RS
2025-11-29
ハンドル周りの振動でご相談を受けた流れから、Z900RS用「パフォーマンスダンパーブラケット」を製作しました。
振動対策の解決策の一つに提案したのが「パフォーマンスダンパー(ヤマハ製)装着」でした。
もちろんハンドルパイプに直接対策する方法が安価で一般的なのですが、パフォーマンスダンパー装着によるハンドルパイプの振動低減効果(あくまで副産物的効果)の高さは実証済み(当店のSRはハンドルでの振動対策無くても手は痺れません)な上、本来の操縦安定性への効果(制振効果=ヤマハY´sギヤ参照)をぜひ体感してもらいたいと思い、提案しました。
ご本人も以前からパフォーマンスダンパーには関心を持たれていたそうで、今回装着することにされました。
すでにご存知の方もおられるでしょうが、Z900RS用にはアクティブ社(ヤマハ監修)から専用KITが発売されています。
卸問屋さんを通して発注したところ、納期が長期かかるとの回答があり、それならばと相談して、現在ヤマハ(Y´sギヤ)に在庫が有り出来るだけ安価な車種KIT(ダンパー本体の単品販売はありません)を購入して、「ブラケット」を当店で製作することになりました。
結果選んだのは「SR400用KIT」でした。アクティブ製KITでは新型のダンパーを用いられていますが、SR用では旧型ダンパーのため、両端の取付方と長さ(旧型=コの字型/新型=一枚板状で旧型の方が長い)が違いアクティブ製のブラケットは参考にはならず、独自のマウント方法から考えることにしました。
取付は、前側はフロントエンジンマウント部にアルミ7N01材50mmカラーと同10mm厚ハンガープレートを友締め(M10mm/場所はアクティブ製と同じ)としました。後側は、後部エンジンマウントハンガープレートのフレーム側取付ネジ(M8mm)の2箇所を利用してベースプレート(アルミ2017材10mm厚板)をしっかりと固定し、コの字の間にカラーを挟ませた後端と30mmカラーを通して一本のボルト(M10mm)でベースプレートに取付けるようにしました。
シリンダー側の後部マウント部を利用したおかげで、シリンダーヘッド下をダンパー本体を設置(アクティブ製はシリンダーヘッド横)させて「はみ出し」を極力小さくすることが出来ました。
※元々の目的であるハンドル周りの振動低減効果は大きく、ほぼ気にならないレベルになり、ハンドルへの対策は必要無くなったそうです。また、車体の制振効果も体感出来たと高評価をいただきました。
※Z900RS/Z900のエンジンマウントは、前ハンガー1箇所/後4箇所(シリンダーヘッド&シリンダー=脱着式ハンガープレート/クランクケース後部上下)の合計5点支持(一般的には3~4点)とされていますが、これはフロントエンジンマウントを支持しているフレーム状に見える部分がメインフレーム一体ではなく、ボルト結合(結合部の強度・剛性の低い)のため、全体の剛性不足を補うためだと思われます。
※前側ブラケットに7N01材を用いたのは、当初はカラーとプレートを溶接して一つの部品にする予定だったからです。破損した場合の修復を含めて一体型にする必要は無さそうと判断して溶接しませんでしたので、結果的には2017材(ジュラルミン)でも十分でした。
ワイドローラー組換(FCRキャブレター)&走行会仕様
2025-11-01
手術以降は、右脚に不安をかかえていたため、「キック始動」を控えていたSRでした。※この夏は、エンジンの慣らしとその後の確認・セッティングで、久しぶりにRC390を走らせていました。
その間、乗れずにいたSRには、FCRキャブレターのスライドピストンローラーを「ワイドローラー」に組み替えておきました。
ワイドローラーについてはZ1-R用に組み直したFCR39の場合のように、ローラー当たり面にくぼみが出来てしまった本体でも再生するのに有効ですが、予め組んでおけば本体を「長持ち」させることができます。
最初に発案されたメーカー(キャブレターセッティングパーツの「バクダンKIT」で有名でした)さんは現在は販売をされなくなっていますが、各地の精密加工屋さんで製作されている物が入手可能になっています。
そのワイドローラーは、幅(厚み)が6mm(ピストンに干渉しないギリギリの設定)に広げられています。材質は「ジュラコン=各種スライダーと同材質」で製作されているのもキャブレター本体の寿命を延ばすのに寄与しています。※ケイヒン純正ローラーはかなり硬質な樹脂(材質は不明)ですから、それよりは軟質なジュラコンになるとローラー側が摩耗してくると思われます。
走行会も近づいている時期でしたが、エンジンパフォーマンスには関係ないものの、今後を考えて組み替えておきました。
その走行会への今年の仕様は、直接はパフォーマンスアップにつながる仕様変更はありませんでしたが、「オイルクーラー」装備で安定した「パフォーマンス維持」が出来るようになったことと、「キックペダル&サイドスタンド」をチタン製にして、昨年に比べていくらかの「軽量化」を図っているのが変更点です。
セッティング面では、昨年の走行会でリヤスプロケットをワインディング路用に設定していた「44T」で走ったところ、コーナー間の短い直線部で吹け切り(8000rpm)気味になったため、「43T」にすることにしました。コーナー間の繋がりは良くなるはずですが、立ち上がり加速で若干駆動力が落ちるので、どんな結果になるのかは走って確認します。
※今シーズン中は「ノンカウル仕様」で通していましたが、サーキット走行とあって昨年の走行会以来の「カウリング仕様」に戻してのぞみます。
※オイルクーラー前面に装着した「コアカバー(オーバークール防止用)」は、昨年の気温同等と考えても1枠目(9:40~)には必要そうなので、当日の状況(暖かくなれば)によって取外すことにしています。
※このブログは走行会前に書き始めましたが、結局今年も事前に書き上げることが出来ませんでした。実際には走行会(10/21)はすでに終わっていますので、また改めて走行記を上げる予定です。
チタン製サイドスタンド製作・SR
2025-10-11
高強度・軽量という大きな魅力を持った素材である「チタン」を活用した製品の第3弾(すでにポピュラーと言えるエキゾースト系を除いています) として、「サイドスタンド」を製作してみました。
第2弾の「ミラーアーム」は、溶接をしないで作れる物という条件で思いついた物ですが、シーズン初旬に製作した「64チタン製キックペダル」が、その後の経過でも問題が起こらなかったため溶接強度も充分に有ると判断して、次に進めることにしました。
それが、一般的には強度が必要なため鉄鋼材が用いられている「サイドスタンド」です。中でも、SRでは対地角が鋭角(現状で約42°)に設定されているので、かなりの曲げ応力が発生するため、一体成型の鋳造品となっています。けっこうな重量ですから、チタンで作ればかなりの軽量化を狙えます。
チタンでの製作にあたり、ピボット部・スタンドバー(15mm径丸棒)・接地プレート&スタンドラバー(跳ね上げ用)ベース(2mm厚板)・スプリングフック&ブーツフックの個々の部材を溶接して成形する手法としました。※対地角が鈍角(立ち気味)の車種の純正品と同じ構成です。
素材は高い強度の必要なピボット部とスタンドバーに64チタン材、その他を純チタン2種材とするハイブリッドにすることにしました。※入荷遅れがあり、スプリングフック&ブーツフックを64チタン材に変更しましたが、設計では8mm径だったものを7mm径にしています。
ビボット部は強度的には小型・薄肉化が可能ですが、純正ピボットボルトを使うため、ほぼ同程度の寸法になっています。バー本体との接合面は加工(切削)の難易度を低くするために、ただの平面にしましたので、バー側を先端を「谷」を形成するテーパー状に削って、芯までの全溶接+盛りを施しています。
※重量は、純正=635gに対して、チタン製=270g(約42.5%)に仕上がり、365gの軽量化を達成しました。
※キックペダルやサイドスタンドの軽量化には、これまではあまり重要性を感じていませんでした。市販車ベースで行うレースでは取り外してしまう物(RSやTZのロードレーサーには元から無い)だからです。ただレース(サーキット)を離れてしまうと、ワインディング路を楽しむ際には常時装備されている物だという認識に変わり、外さない(外せない)物ならば可能な限り軽量化したいと考えるようになりました。
※溶接が施された純正サイドスタンドは、部材の構成は同じですが、スタンドバー本体は中空パイプとなり、ピボット部とは一部差込構造として接合部の強度を確保しつつ軽量化も図られています。曲げ応力の大きく掛かるSRでは出来ませんでしたが、可能な車種であれば「中空パイプ」を使って製作(さらに軽量化を狙って)してみたいと思います。
移動式門型クレーン(2輪車用小型)製作
2025-08-24
今回製作したのは、バイクのカスタマイズパーツではありませんが、整備(特に重整備)で重宝する「移動式門型クレーン(通称=門柱)」です。※フレーム修正機導入の際には、車体の吊り上げを行う「手動式チェーンブロック」を据え付ける「梁=頑丈なH鋼」が真上に在ったため必要ありませんでしたが、この梁が無ければ同様の物(サイズが変わりますが)が必要でした。
昨年のCB1100R(エンジン整備)の際に、大排気量エンジンを抱えて持ち上げるのも、かなり限界に近いと実感しました。そのような折、本年にはGSX1300R(隼)の「エンジン載せ替え」の依頼を受けました。※2台の車体からエンジンを降ろし、生かす車体に1機のエンジンを載せることになります。
大排気量車とは言え、エンジンは「吊り下げ式(ツインスパーフレーム)」ですから、通常車体周りはそのままで、エンジン下にセットした「ジャッキ」で支えて下していけば良く、抱え上げるのは、ジャッキ上から移動のための台車への載せ降ろし位となり、なんとかなりそうだと考えて普通に取り掛かりました。
まずは、エンジン取り用車両から取り掛かりましたが、この段階で苦労することになりました。
エンジンを支えたジヤッキを下げていったところ、エンジンが大き(特に高さ)すぎてジヤッキ(最低地上高=約10cm)に乗ったままではフレームをかわして横に取り出すことが出来ませんでした。※フレームのフロントエンジンハンガー部分の形状も関係しています。
すでにエンジンは外れて不安定な状態ですので、仕方なくエンジンを抱え上げ(フレームをまたいで)ジヤッキを抜き取り、徐々に低い土台に差し替えつつ最後にリフト上に降ろし、ようやく引き出すことが出来ました。※もちろん二人で作業しますが、一人は土台の差し替えをしてもらいますので、エンジンの抱え上げは一人で行わざるをえず、相当こたえました。
先例を踏まえて2台目では、あらかじめ足周りをほぼ取り外し(残るはステアリングステムとスイングアーム周りくらい)た車体(エンジン搭載状態)ごとリフト上に下ろして、最後にフレーム側を引き上げるようにしました。※作業工程はかなり増えて工数は上がりますが、よりリスクも少なく確実にエンジン脱着作業を行うことが出来ます。
それでも、車体をリフト上に下ろす際には持ち上げることになり、それなりに力を要します。※メンテナンススタンドでささえた箇所を支点とする「てこの原理」で持ち上げることになりますから、エンジン単体を持ち上げるよりは小さい力で済みます。
エンジンを降ろす作業とエンジン交換に関連する周辺部品を全て取り外して、載せ直すまでに少し間が空いた(前後サスペンションのメンテナンス=専門ショップ外注)ので、その間にあらためて考えました。※この間に合わせて、手術(抜釘術)のため入院していたので、考えるのに良い期間になりました。
次のエンジン搭載作業をより確実に行うために、また、今後も「大排気量車の重整備(エンジン整備など)」を続けていくためにも、何らかの「吊り上げる道具」を導入することにしました。
近年では、この手の専門的な道具や設備も比較的入手が容易になってきていますので、いろいろと探してみました。ところが、当方の望む物が見つかりませんでした。
先述のフレーム修正機導入の際に引き合いに出したのは、若い頃に勤めていた会社で使っていた「4輪車整備用門柱」でしたが、その製品では大き過ぎて当店の工場内ではとても使えない物です。もっと小型の物はなかなか無いようでした。※安価な「小型アーム式(クレーン車のような)」が有りましたが、土台部分が「V形」で2輪車用リフトを跨ぐことが出来ないため 使えそうにありませんでした。
それならばと自分で製作することにしました。
製作に当たっては、2輪車用リフトを跨ぐ幅で、工場玄関(アルミサッシ)を通せる高さに抑えて、自在(外倉庫へも)に移動出来る「移動式門型クレーン=門柱」としました。
炭素鋼60mm角バイプ(主要部材=2.4mm厚/補強部材=1.6mm厚)を組み合わせて門型を作り、移動用のキャスターは6点支持としました、チェーンブロックを掛ける「アイボルト」を通す穴周辺は、2.4mm厚高張力鋼板材で補強(上下)しておきました。
縦部材(柱)1500mm/横&土台部材1200mmとして、完成後(キャスターとアイボルトの突き出しを含む)の寸法は、約173cm×120cmとなります。
サスペンションがメンテナンスから帰ってきたところで、実際に使用したのが画像⑤⑥です。狙い通りに仕上がり、強度的にも問題無いようで、「使える物」となっていました。今後も役に立ってくれそうです。
※ツインスパーフレーム車ではフレーム+エンジンを直立状態で作業しますが、ダブルクレードルフレーム車(主に鉄フレーム)では、エンジンを抜く側(主に右サイド)を下にして横倒しにして作業を行います。
※以前に、梁(H鋼)の増設をして吊り上げてはどうか?との助言もありましたが、それではトロリー(H鋼をレールとする移動用滑車)を使用した直線移動しか出来なく、最後は台車への載せ降ろしをしなければならなくなってしまいます。高額な工事をしてもあまり使い勝手が良くないため、決断は出来ませんでした。





