パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ
SRサブフレーム
2021-03-06
モノショック仕様SRを製作しようとフレーム加工をした際に、ハイグリップラジアルタイヤを想定して補強は施していました。ヘッドパイプ周辺やメインパイプ/アンダーパイプなど各部連結部・ピボット周辺といった箇所への補強です。SRのフレームは基本的にはセミダブルクレードル(アンダーパイプ下方で2本に分かれた型)で、メインパイプがオイルタンク(ドライサンプ方式=エンジンの外にオイルを貯める)を兼ねた極太丸パイプとした構成になっています。シンプルな構成のわりに、極太メインパイプで思ったよりしっかりとしていますが、シンプルな構成であるがために、補強出来る箇所も限られています。現状から更に剛性アップをねらうには難しいものがありました。
サーキット専用であればメイン部材から作り直すことも考えられますが、あくまで公道を走らせられるSRにしておきたいので、ここではサブフレームを装着することにしました。以前にも考えたことはありましたが、SRの雰囲気を壊しそうで躊躇していました。それでも、エンジンが良くなるにつれて剛性不足(特にネジレ方向)が顕著になってきたので、なんとかしたいと決断しました。
市販のサブフレームではエンジンマウント間(前/後)を繋ぐ型が多いのですが、SRのようにエンジンがリジットマウントの場合には、ほぼ無意味(エンジンその物のほうが剛性が高い)となります。理想はサイドパイプ式ダブルクレードルフレームのメインパイプのように、ヘッドパイプとピボット部近辺を直接結ぶ線を描くことだと思いますが、現状のフューエルタンクやエンジンを避けるレイアウトで、出来るだけこれに近いところに装着するようにしました。
左側はヘッドパイプ下方のアンダーパイプに炭素鋼(S45C)製ボス(M8ネジ2個)・ピボット上方にM10ボス(1個)を溶接してサブフレームを取り付けます。右側はステアリングダンパーブラケットをすでに取り付ける加工を施していたので、このダンパーブラケットに接続することにしました。
サブフレーム本体には、以前に入手(特注品のおすそ分け)していた、アルミ7N01材製「桜パイプ」(通称=4隅がリブ状になった角パイプ)を用い、同じく7N01製の板材(10mm厚)とボスを製作して溶接しています。連結するダンパーブラケットはやはり7N01材の丸棒を組み合わせて溶接して製作していました。連結してサブフレームの一部として使うのにも、充分な剛性があると考えています。
形状はあまり横へ張り出さないように、シリンダーヘッドのフィンの上部を通し縦・横方向に軽く曲げたものにしました。右はカムポジションインジケーターを覗けるように、左側はフューエルコックレバーを避けるぎりぎりに設定にしています。
さて、これで実際に剛性アップが図れたのか?効果のほどは?
※2021冬(オフシーズン)に予定していた、SRカスタマイズ3点(ワンオフパーツ作品集にパフォーマンスダンパーブラケットを掲載)の製作が出来ました。バイクシーズンを待ちそれぞれ順にテストをしていきます。セッティング作業を含めて忙しくなりそうですが、シーズン到来を待ち遠しく感じています。(ぼちぼち進めていく予定です)
※心配していたルックスですが、サブフレームの描くカーブのおかげで、アルミタンクやエンジンとのマッチングが意外と悪くないな(個人的に)と感じました。いかがでしょうか?