カスタマイズ事例
VTR1000F
リッタークラスで、お勧めの面白いバイクは?と聞かれ、カスタマイズを施すことも踏まえて、お答えしたのが、国産車では数少ないVツインのVTR1000Fでした。スタンダードの状態では、スポーツ性を秘めながらも、スポーツともツアラーとも言えないバイクでしたが、足回りを少し変えるだけでも、スポーツ性は断然高まり、ドカティにも劣らない素性を持っています。チューニングパーツが少ないのが欠点ですが、ベースマシンとして、国産車ゆえの部品の価格や供給のことも考慮し、逆輸入車の中古車をご購入いただきました。
ご購入と同時にカスタマイズに着手し、まずはリヤショック・ステップ・FCRキャブレター・マフラーを換装して、乗っていただきました。
国内仕様では、中回転のトルクとパンチは有るものの、高回転のパワーと伸びの無いエンジンですが、逆輸入車は、しっかり伸びも有り、キャブレターの良さも相まって断然面白いエンジンに仕上がっています。
車高調整付きのリヤショックとFフォークでディメンションと動きを調整して、格段にスポーツ性を増して楽しいマシンになり、とても気に入っていただきました。その後ホイールを換装し、少しづつ、カスタマイズを進めました。
《カスタマイズ仕様》
◎エンジン:逆輸入車(フルパワー仕様)STD
内圧コントロールバルブ(テラモト製T-REV)
※内圧コントロールバルブは、エンジンの中で邪魔をしていた要因を取り除き、そのエンジンの本来の設計に戻すと言ってよいもので、おすすめです。
(結果的にエンジンブレーキの効きは弱くなり、回転の下がり・上がりが、スムーズになります。)
◎キャブレター:ケイヒンFCR41+ラムエア・フィルター
※純正キャブレター(CVタイプ)より口径は小さくなりますが、吸入効率の良さで、パワーも実質的に上がっており、中回転域のトルクUPと、レスポンスが格段に良くなって、Vツインの楽しさが味わえます。
◎マフラー:Aテック(ヤマモトR)フルエキゾースト(2気筒独立タイプ)
◎リヤショック:ナイトロン・レース(現R3=3way減衰調整・車高調整付き)シリーズ
◎Fフォーク:オーリンズ・フォークスプリング(シングルレート)に変更
オイル油面と粘度をセッティング変更
スタビライザー装着
※41mm正立フォークがゆえ、フロント周りの剛性不足は否めませんがスタビライザー装着でも、かなり、ネジレに対し効果があります。
◎ホイール:ゲイルスピード・TYPE-R(アルミ鍛造)
※Vツインエンジン特有の横方向の質量の小ささを活かした、車体セッティングにした場合に、ホイールの軽量化の効果は絶大です。
◎ブレーキ:ニッシン製ラジアルマスターシリンダー+2000年代ホンダ純正4Pキャリパー
サンスター製カスタムタイプディスク
◎その他:NHKステアリングダンパーKIT装着
コワース・バックステップKIT
要所を押さえたカスタマイズで、スーパースポーツと言える仕上がりになり、コーナリングの楽しめる、Vツインスポーツに変身しました。カスタマイズも少しずつ進め、気に入ってお乗り戴いていましたが、体調を崩された際に、仕方なく手放されました。