カスタマイズ事例
YZF-R1(川崎様所有)
ネイキッド系や旧車系のカスタマイズの比較的多い当店においては、少数派となるスーパースポーツ(近代の)系の、2009年型YZF-R1のカスタマイズ車両です。
2009年に新車でご購入いただいて以来、そのパフォーマンスをより楽しむために、カスタマイズを進めて来られました。この2009年型はクロスプレーンクランクシャフトのエンジンを初めて搭載したモデルで、それまでには無いエンジンへの魅力と興味深さで選ばれました。実際に、低回転から中回転までのV4(V型4気筒)エンジン同様の不等間隔爆発のドコドコとしたフィーリングと、中回転から高回転へは回転バランスの良いクランクシャフトによって一変してなめらかに回るフィーリングは独特なものです。コーナー立ち上がりの際のトラクションのかかりやすさが感じられ、ハイパワーでありながら暴力的には感じない心やすさは大きな魅力で、この魅力をより伸ばしつつ、しっかりとした車体・足周りのセットアップで、ライティングを支えるためのカスタマイズを施して来ました。
スタンダード(純正)の状態で、かなりスポーツ度の高い設定に仕上げられたスーパースポーツ系ですが、やはり量産車の宿命でいろいろなシチュエーションでの使用を考慮されています。スポーツライディングに絞ってセッティングを進めていくことで、スタンダードの能力を引き出しつつ、さらに高い能力を持つパーツへの換装へと移行しました。そこからセットアップを繰り返し、走る・止まる・曲がるの3要素をより高いレベルで実現することを目指してカスタマイズを進めました。
カスタマイズ仕様
※エンジン関連
◆エンジン本体=スタンダード
◆排気系=アクラポビッチ製フルエキゾーストマフラー
◆吸気系=K&N製レース用エアフィルター
※車体関連
◆リヤショックアブソーバー=オーリンズ製TTX36(ツインチューブ式)
◆フロントフォーク=オーリンズ製NIXタイプ(ZX10R用流用)
※108mmピッチFキャリパー対応(´09R1純正は130mm)
◆フロントアクスルシャフト=ラジカル製クロモリシャフト
◆ステアリングステム(アンダーブラケット)=クランプ部加工
◆ホイール=JB-マグタン(マグネシウム鍛造ホイール)
※F=3.50-17/R=6.00-17
◆駆動系=●EK製 3D(スリード)チェーン
●サンスター製 F/Rスプロケット
※520サイズ(コンバート=軽量化&低フリクション)
◆制動系=●ブレーキング製フロントディスク(320mmウェーブタイプ)
●108mmピッチラジアルマウントキャリパー(トキコ製)
●メタリカ製SPEC-3ディスクパッド
●アクティブ製グッドリッチステンレスメッシュホース(T型配管)
◆ステアリングダンパー=オーリンズ製ツインチューブタイプへ換装
※純正(電子制御車速感応式)は減衰効果が弱かったため
◆ポジション系
●ステップ=Kファクトリー製レースタイプ
●ハンドル=デイトナ製セパレートハンドル(角度可変バー式)
※電装関連
◆パワーコマンダー製PC-V(燃調サブコンピューター)
+オートチューンKIT(専用O₂センサーによるセルフセッティングタイプ)
※当初、通常のデータ書き換えによるセッティング作業をしていましたが、スリップオンマフラーからフルエキゾーストマフラーへの変更・エアフィルターの変更など、仕様変更に手早く対応させるために採用
◆バトルファクトリー製クイックシフター(シフトアップのみ)
ハイパワーなスーパースポーツのため、エンジン系では燃調調整により自然な操作感を得られるようにする程度として、足周りを中心としたカスタマイズを施しました。バネ下重量の軽量化と優れたサスペンションとセットアップで、さらに伸ばした運動性の良さと、路面追従性の高い安定性を両立させることが出来、安心してR1のパフォーマンスを楽しめる仕上がりになりました。