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カスタマイズ

カスタマイズについて

パドックⅢでは、豊富なレース活動で得た技術と経験を元に、お客様のご要望に最適なカスタマイズとなるように取り組んでいます。また、バイクの走行性能に限らず、安全性能や環境性能・保安基準などを含めた取組みで、安心してお乗りいただけるバイク作りを目指しています。

パドックⅢ カスタマイズ計画

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ラビリークランクシャフト

2020-09-19
NEW
リビルトクランクシャフト
純正センターベアリンク
取外したベアリング
´92NSR250R-SE
 ここ近年再燃してきた2st(ストローク)人気の影響からか、当店でも2st250ccスポーツ車の整備・カスタマイズを請け負うことが増えてきました。中古車購入時や長く所有されてきた車両でも、その間にブランクがあったケースのご依頼などが多くなっています。今回の車両は当時より所有されている、´92年型NSR250R-SEです。 (走行距離は2万km弱のそれ程多くはない車両)
 
 怪我(バイク以外の)の影響もあってブランクが有り、その間の管理が出来なかったようで、エンジンは始動出来たが、不調な状態だったので持ち込まれました。 キャブレター内部の詰まりやエアフィルターの劣化などの吸気・燃料系の整備をして、一時は通常に戻りましたが、運転を続けるとリヤシリンダー側が爆発しなくなるようになりました。点火系を含め診断の結果、クランクケース内シール(密閉)性の低下からの、吸気・掃気(一次圧縮)の不具合と診断されました。
 
´80年代からレースの世界に関わってきた当店としては、あまり旧車のイメージのないNSRですが、やはり年月を感じてしまうのが、エンジン内部の劣化です。分解の結果、クランクシャフトをはじめ、不具合が発見されました。クランクシャフトのオイルシールやウォーターポンプシール類の劣化はもとより、ピストン下部への燃焼ガスの吹き抜けからクランクケース内を燃やしてしまっている状態(画像2・3)なのが見受けられます。これらのことから、クランクシャフトのリビルト(各ベアリングなどの組替=外注)を中心としたオーバーホールとなりました。
 
 そこで、センターベアリング内に組み込まれているセンターシールを、ラビリンスシール(非接触型)に替えた、ラビリークランクシャフト(井上ボーリング社)へのリビルトをオーダーしました。ラビリンスシールはヤマハがRZ(並列2気筒)で採用し始めた仕組みのシールです。一対の複雑な断面の組み合わせにより、回転時に非接触ながら密閉性を持つようになっています。NSR(V型2気筒)の純正センターシールはセンターベアリングに組み込まれてるもの(画像2)なので、極薄いものをアルミ合金で造られたようです(左右両端は純正シールを使用)。通常の合成ゴム製シールと違い、劣化や摩耗によるシール性低下が無くなります。
 
 直接パワーアップに繋がるカスタマイズではありませんが、2サイクルエンジンにとってクランクケース内は重要な役割を持っているので、安定した性能を維持する為に役立つカスタマイズになります。また、組立式クランクシャフトのセンターベアリング/センターシールはリビルト時にしか交換出来ないので、今後のメンテナンスコストにも貢献することになります。※リビルトされた後では、現物を見られないのが残念です。
 
 もう一つ重要なことは、ピストン系の性能維持(メンテナンス)です。燃焼ガスの吹き抜けが起こってしまうと、ケース内の新気(混合気)のガソリンを燃やしてしまい性能(出力)低下するだけではなく、潤滑のためのオイルも燃やしてしまうので、クランクシャフト関連部品が急速にダメージを受けてしまいます。本来の部品寿命も果たせなくなってしまいますので、ピストン系の状態をしっかり管理していきましょう。
 
※ラビリンスシールについての詳しいことは、井上ボーリング社のサイトにてご覧いただけます。
 

デジタルメーター&アナログメーター

2020-09-08
NEW
1.Z1-Rコックピット
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        3
 車両の種々の運転状態を、運転中に確認することが出来るようにするのが、メーターです。近年の車両では液晶ディスプレイデジタルメーターとなり、一つのパネルの中で各種の情報が数字やセグメントで表示されるようになりました。一目で分かり易いものもあれば、かえって分かり難い(アナログに比べて)ものがあったり、集中しすぎて判別できなかったりします。(特に私をはじめ老眼気味の人には)
 
 当店でアナログメーター時代の車両にメーター関連のカスタマイズをする際にも、デジタルメーターを積極的に取り入れています。速度計/水温・油温計など数字表記のデジタルメーターをお勧めしています。当初、一つのボディに複数の項目を表示するマルチタイプのものが多くありましたが、表示が小さくなって見難くくなってしまうので、運転中に確認したい項目別にある程度離して配置する方が、視認性を上げられるようです。近年、コンパクトなケースにシングル表示のものが発売されたので、組み合わせや配置の工夫をすることで、見易すくしつつオリジナリティを表現出来るカスタマイズにもなると思います。
 私的な感覚ではありますが、やはりタコメーター(回転計)は針の動きで表示される、アナログタイプのメーターが好ましいと思っています。
 
 この度、Z1-Rは壊れてしまったヨシムラ製マルチテンプメーターの修理でしたが、ディトナ製コンパクトテンプメーターをチョイスして交換しました。同時に、充電状態の確認を随時出来るように、同タイプのコンパクトボルトメーターを装着することになりました。ヨシムラ製メーターに比べかなりコンパクトなため、メーターパネルはそのまま使用して、二つ段違いに貼り付けが可能となっています。
 
 デイトナ製コンパクトメーターは双方とも車両から電源供給されるタイプのものなので、配線はまとめて加工して出来るだけシンプルな配線・接続となるようにしています。ボルトメーターは電源とは別に電圧測定用配線があり、どの箇所の電圧を拾うかで接続場所を加工して接続することになっています。今回の場合、バッテリーへの充電状態を管理する目的なので、本来であればバッテリー✙端子に直接接続するのですが、端子直接接続はリスクが高くトラブル(ショート)対策が必須となる為、あえて電源線と同地点(ライトケース内)に接続するようにしました。当然、電圧降下があるので、あらかじめ運転状態のバッテリー端子電圧とメーター表示値を測定しておいて、その差を前提に管理していきます。
 
 この車両では、永井電子製電気式タコメーターのアナログ系/アクティブ製スピードモニターのデジタル系とそれぞれの利点を活かすように考えて配置をしています。タコメーターの位置に対し、デジタルメーターがより近く(手前)になるようにメーターパネルを設置してあります。相乗効果で各メーターが広がり過ぎない配置とすることが出来ています。
 
 画像3は、ウィンカーの点滅速度調整用にライトケース内で使用していたダミーバルブです。近年LEDウィンカーが増加したおかげで、消費電流に影響されないウィンカーリレーが発売されていたので、この度、リレーを交換してダミーバルブを取り除くことが出来ました。(ケース内が煩雑となったため)

ヘッドライトチューンアップ

2020-08-29
 ヘッドライトのカスタマイズと言えば、現在では電球をLEDバルブに換えたり、LEDヘッドライトユニット(全体)に換装することが多くなっていると思います。
 ただし、ユニット換装では問題無いのですが、電球をLEDバルブに換えるだけの場合にはうまく照射出来ない問題が起こることが多々あります。ハロゲンバルブなどの通常のライトユニットは放射状に発せられた光をリフレクター(反射板)に当てて跳ね返らせ計算された向きにまとめて(レンズカットやリフレクターカット)照射するようになっています。発光するフィラメントの位置の違いで上下(Hi/Lo)の切り替えも出来る構造です。そのため、LEDバルブに換えた際に、発光体(LED)の位置関係が合わずに光を上手くリフレクターで反射出来ないため光が拡散してしまい、光源は明るくても照射すると暗くなってしまうものが結構見られます。特にLEDは発光体前面にのみ光が発せられるため、かなり位置設定は難しいはずです。
 その為、車検のヘッドライト試験でも合格しないケース(光度不足や光軸不良)も多く、実際には実車で照射して確認するまで判別出来ないのが現状です。配線やレンズの曇りなどの経年劣化による光度低下(暗くなる)への対処としては、まだまだ安定していません
※LEDバルブに替えてピッタリと合ったものでならば、しっかり明るくなり40000cdを記録したケースもありました。
 
 そこでハロゲンバルブのままで確実に光度アップ(明るく)させる方法として、これまでにもリレー回路を使ったヘッドライトチューンアップパーツが有ります。リレーを介することでバルブへの電力を、バッテリーから大容量の配線で直接供給してバルブの能力をほぼ全て発揮させるものです。車両側はスイッチングに用いるだけとなり、配線やスイッチ端子などの劣化による影響を受けなく(導通は必須)なります。また一般の2輪車の場合、回路を複雑にしたくないなどの理由から設計段階からバルブ(電球)の能力を引き出していない車両が多いので、新車であっても効果があります。
※55~60Wのハロゲンバルブの能力は光度試験で18000~20000cd(カンデラ)は十分に有ります。(保安基準は15000cd以上)
 
 画像はチューンアップ回路にさらに加工を加えたものです。本来、H4バルブ(60/55W)の左右2灯式ヘッドライトを、右ライトをLoビーム固定(スイッチをHiにしてもLoビームのまま点灯する)、左ライトをHiビーム専用(スイッチHiでのみ点灯)となるようにしています。
CBR600RRと同様の点灯方式です。
 
 装着車両は、一体型ユニットの左右2灯式ヘッドライトの初期型GSX-R1000です。一体型リフレクター(単独での調整不可)なのですが、本来左右一致するはずのHiビーム光軸がずれてしまっていました。照射状態から右ライト側の不良(中心軸のはっきりしないぼんやりとしている)と考えられました。また回路内抵抗の増大から左ライトですら10000cd程度と暗い状況だったため、この問題の裏技的対処法として、この装置に至りました。結果、保安基準を満たして検査も合格し、明るいヘッドライトになりました。(左ライトHiビーム=18000cd強)
 
ご注意
● 熱などの影響によるバルブ取付部やリフレクターの変形から光軸のずれや光度低下が起こった場合、基本的にはユニット交換が必要となります。
●上記と同様のチューンアップ回路を装着した場合、装着前と比べ消費電力が増加しますので、車両の充電状態を必ず確認しなければなりません。(特に旧車系)

FCRキュブレター換装(ゼファー1100)

2020-07-29
JB-FCR39
ハイスロットル&薄型スイッチ
ブローバイガス還元対応オイルキャッチタンク
ラムエアフィルター仕様
 近年はインジェクション車が多くなり、キャブレター換装があまり無かったのですが、久々にゼファー1100で行うことになりました。
 このゼファーは以前に中古車として購入していただいた車両で、それ以後ホイール換装などカスタマイズをしていたのですが、仕事環境の変化などがあって数年は乗ることが出来なかったようです。今年復帰することにされ、車検の取得に伴い色々必要な整備が予想されましたが、この機にFCRキャブレターへの換装を決意されました。
 エンジン本体は完全ノーマルのままですが、ゼファーとしては39mm径の大き目のサイズをチョイスしました。乗りやすさ(ある意味ルーズな)を優先して小さ目なサイズを推奨する考え方もありますが、燃調セッティング次第でシビア過ぎない仕上がりは可能で、決して乗りにくいレベルとは思わないので、ある程度大き目サイズを当店ではお勧めしています。(セッティング作業自体はシビアになりますが)
 
 カワサキ車は独特なスロットルケーブルのためハイスロットルKITは必須で、アクティブ製の汎用TYPE-3と薄型スイッチラムエアフィルターを一緒に用意し、FCRキャブレターとともに装着します。この車両では、インシュレーターに劣化のひび割れが見られたため、交換しておきました。全体的にFCRキャブレターの差込部(スピゴット)はきつめの作りなのでひび割れまでは無くても、少しでも硬化していれば交換することが必要になります。セッティングの確認に重要なプラグも新品にしてからエンジン始動します。とりあえず始動可能なレベルの燃調設定なのを確認して、オイルキャッチタンクの製作にかかります。キャブレター換装に必要なパーツが全て揃ったところで、セッティング作業を進めます。
 
 セッティングを進める上で、走行テストをする前までのセッティング作業が重要なプロセス(個人的にプレセッティングと呼んでいます)となります。無負荷運転ですが、ここでどれぐらいのレベルに出来るかでその後の仕上がりまでに大きな影響を与えます。直引き式スロットルバルブのFCRキャブレターはスロットル操作に対するエンジンの反応(レスポンス)が命なので、燃焼状態を手応え振動回転計の動き排気具合(色・匂い・圧力)など5感を働かせて判断して調整していきます。そして実走行テストによる微調整に備えます。現在は、車体各部の整備も終え車検を取得し、最後の走行テストに備えています。
 
※最終的なセッティングは好天の下で行いますが、ベストセッティングは季節・気象条件(気温・気圧・湿度)で変動するため、ある程度シーズンを通じて使える位の仕上がりを推測して決めています。本来はせめて季節ごとのリセッティングが望ましいのですが、当店のFCRキャブレターユーザーの方々は通年同じセッティングで走られています。(多少の我慢はあるのだろうとは思いますが)
 
※追記(8月14日)
 梅雨の明けた8月上旬、晴天の日に実走行テスト・セッティングを行いました。気温30℃以上となり厳しい条件でしたが、主に低・中回転からのスロットルレスポンスの仕上げの調整に注力しました。その結果、2000rpm弱程度の低回転から実用出来る仕上がり(極低回転では極端にラフなスロットルワークは禁物ですが)になりました。最暑季のため、全開域を少し濃い目にして今後の気温低下に備えましたが、今シーズン(冬季まで)は様子を観て変調具合を報告して頂くようにします。
 納車の後、見違えるようになって楽しかったと感想をいただきました。

ワンオフアルミタンク製作工程

2020-07-01
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 ワンオフ製作のアルミタンクですが、DRZのお客様が遠方の方だったことで、まず電話で当店の製作するタンクの特徴や製作方法などの説明をしましたが、分かりずらいものだったのではなかったかと感じました。当店のタンク製作方法は、ワンオフ製作を出来るだけ簡潔な工程で行うことに特化して考え出した工法です。本来(他工房)の工法とは異なり、ある意味で邪道?とも言えるものです。これまでは、県内の方のご依頼だったので、都度説明していましたが、説明だけでは理解しずらいものだろうと思います。これまで詳しい製作過程は紹介しないでいましたが、ここで少し解説したいと思います。
 
 画像1:まず、車体フレームに対してベースとなる内板を作ります。このDRZでは剛性UPとガソリンの急激な前後移動を抑えるための仕切り板を取り付けています。
 
 画像2:外板の中から基準となる面から組み立てるように貼り合わせていきます。基準となる部分はこの場合はシートの当たる背面とキャップの付けられる上面です。あとは、デザインを考えながら各面をつくります。この1面から2面分位を1枚板で作り上げていくのが当店の特徴で、徐々に組み上げていくため型が無くてもタンク製作が可能になっていすます。丸みのあるデザインでは面の取り方を工夫しながら、叩き出しで曲面を作ります。
 
 画像3:外板を組み上げる工程では内板とは仮付けだけで、底板を除く外板を全て貼り合わせ本溶接をしたのちに取外し内側からも溶接を施します。角の小さい丸みを作りつつ外面の溶接痕を削っても、内側の溶接ビードの盛りが骨格の役割も果たし強度が保たれています。 
 
 画像4:タンクキャップ受け部を作り、形の出来上がった外板に取付けます。そののち、削りの終えた外板と内板を合体しつつ、底板を作って貼り合わせ一体として溶接して本体が出来上がります。本体に各部のフィッティング部材を位置合わせに留意して取付けていき完成します。
 
 この製作方法によって型を用いずにタンクを製作しています。この工法では、溶接箇所が増えることと内側からの溶接で歪みが起こりやすく補正を必要としたり、曲面同士の突き合わせが難しいなどのデメリットがあります。そのため複雑な形状や丸みの大きな形状では、難易度が高く、現在の技量では製作が困難なものがありますが、今後も技術の向上に励み、いろいろなものを製作したいと思います。
 
※概算の製作費は、大きさや形状によりますが、おおよそ15~30万円程度になります。特に形状により製作工程を変えているため製作費への影響は大きく、また正確な見積りが困難で見積りからの変動もございます。
パドックⅢ
〒682-0803
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TEL.0858-22-6693
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