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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

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パフォーマンスダンパー

2020-10-31
 近年のヤマハ用品カタログ(ワイズギヤ)に登場していて、気になっていた物が、パフォーマンスダンパーでした。4輪車では既に採用されていて好評で、2輪車ではヤマハが初めて実用化したそうです。
 
 形を見ると、ステアリングダンパーのようにロッドが移動する際にオイルの抵抗で減衰力を生ませるものを想像しましたが、それとは違うようでした。どちらかと言えば、ゴム製の各部のマウントダンパーのように弾力によって振動や衝撃を伝えないタイプに近い物なのかなと考えてみました。カタログの説明には、車体制振によって走行安定性を良くすると記述されていましたが、どういうことなのか良く分かりません。さらに読むと、エンジンの振動や外力を受けたフレームは、たわみながら細かく振動しているので、それを抑えてやると安定性を良くするらしい。紹介動画も見てみましたが、「しっかりした・重量車のようだ」などとインプレッションがありました。良くわからずとも、良い評価なのは確かのようです。
 
 いずれにしても、ハンドリングに影響を与えるようなので試してみようと思い、KITの有るSRに装着してみる事にしました。8月初旬に発注したものの、ちょうど欠品中で入荷が遅れ9月末になってしまいました。現物を見ると、ダンパー本体はなかなか重量のあるもので、手で伸縮出来るようなものではありませんでした。前後ブラケットは鉄製の板材でしたが意外と華奢な印象です。装着は、前側ブラケットをフロントエンジンハンガープレートのフレームへの取付ボルトで共締め、後ろ側はリヤアッパーエンジンマウントに共締めして取付けるようになっていました。SRでは、ちょうどシリンダー左に沿った形で装着完了です。(画像1・2)
 
 まずは店舗周辺を街乗り程度に試運転に出かけてみました。40~50km/h位の一定速度での巡航ではエンジン振動の伝わり具合も変わりは無く、これといって変化に気づきません。少し速度を上げて軽いS字カーブを走ると全体にスムーズになった気がしましたが、距離が短かかったため、日を改めて走り込むことにしました。
 
 次の走行では時間をかけて、自動車専用道やワインディングなど、いろいろなシチュエーションで走らせてみることが出来ました。やはり低速領域ではこれといって感じることは出来ませんでしたが、80km/h前後では直進性を含め、曲がっていく方向性を保つのが楽になっていることに気づきました。俗に『オン・ザ・レール感』と呼ぶ感覚です。通常では、速度が上がると路面の荒れの影響を強く受けて、安定感を乱していたのが、まるでサスペンションが急に良くなったような感じでした。切り返しや倒し込みも、スムーズさが増し切れがよくなっているので、個人的には車体が軽くなって余分な動きが無くなったように感じます。当店のSRはワインディング用にハードよりにセッティングされているので、ギャップや段差に乗って細かく跳ねることも多いのですが、より戻しも素早く収まるようになったようです。 
 しかしながら、ワィンディングにおいて、少しラフに高い負荷を繰り返し掛けてしまうと、これによって剛性が上がっている訳ではないので、大きくしなってしまい収束しないまま次へと移ってしまうようで効果を出せないようです。改めて、一定に負荷を掛け続けるような丁寧なライディングを心掛けて走らせると、なんとか効果が味わえるようです。
 
 走行中の車体(フレーム)が、常に少したわんで戻るを繰り返して振動しているのなら、振動の周波数は元々の剛性や素材の特性によって様々だと思われるので、車種によって最も効果の出るシチュエーションが変わるかもしれませんね。また、SR用KITのブラケットが意外と華奢な板材なのも気になっているので(取付角度の調整で簡単に曲げられたほど)、これをしっかりとしたものに造り替えて、効果の違いが出るのか試してみたいと思います。今後ワンオフ製作予定です。
 
 ちなみに、エンジンの振動の激しいSR(しかもリジットマウント)ですが、こちらの影響の方は、高めのギヤでの特定のエンジン回転数(4000rpm付近)領域でのみフレームに伝わった振動を吸収してくれるようで、ステップやハンドル(固定ステップバーと一体式ハンドルバー)の振動が消えていました。その回転数を維持すればSRとは思えないほど快適でしたが、他の回転数や回転が上下しているといつもと変わらないようです。それでも少し感動しました。※こちらもエンジンやフレームの仕様による違いがあると思われます。
 
 
 
 
 
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