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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

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検証・SRエキゾーストパイプ

2021-05-08
①新エキゾーストパイプ
②下=新バージョン
③マフラースプリング設置
④クラック補修
 暖かい日も多かった春先でしたが、なかなか週末には好天に恵まれなかったので、テスト走行に出かけられたのは4月に入ってからとなりました。
 2021シーズンに向けて、エキゾーストパイプパフォーマンスダンパー(PD)ブラケットサブフレームの3点+フレームスライダーとカスタマイズを施しましたが、まずは、エキゾーストパイプ(エンジン系)のテストと、車体系ではPDブラケットのテストから始めました。ここでは、エキゾーストパイプの仕様変更の検証セッティングの様子をレポートします。※PDブラケットのレポートは「テスト報告」に掲載しています。

 エキゾーストパイプ製作直後(2月)に、エンジン始動性に変化が感じられたため、スロー系(スロットル全閉に近い低開度域)燃調を薄めにしておいた程度で、走行テストに向かいました。とりあえず1stテストでは、各領域での「燃調」を把握することを第1目的として、「不完全な燃調」を前提としつつも、そのエンジンフィーリングから新作エキゾーストパイプの特性を確認推測)するのが、次の目的です。

 走り始めて間もなくの、低回転域(2000~3000rpm)では若干トルクが弱くなった印象ですが、実用出来ないレベルではなく、そこからスロットルを開けていってもエンジン回転はスムーズに上がって行きます。上り勾配の直線路において各領域(スロットル開度と回転域)でのフィーリングを確認すると、中開度から全開度の燃調が少し薄目なのが感じられました。それでもしっかりしたパワーの出具合は確認出来て、トップエンド(7500rpm以上)に向けて回転は伸びようとしていて良好なフィーリングでした。
 燃調の「ずれ」もさほど大きくはないようなので、そのままワインディングを走行してみると中回転(4000~4500rpm)から一気に全開にした際にやはり若干の薄さを感じるものの、レスポンスは悪くなくパワーの盛り上がりと回転の伸びの良さが感じられました。燃調のセッティングを詰めれば更に良くなりそうです。

 1stテストを終えてプラグの焼け具合を確認すると、中心電極周辺のガイシにはわずかに茶色い焼けが付いている程度で、全開域での若干の薄さを表していました。これもふまえて、メインジェットとジェットニードルを少し燃料を増やす方向に調整することにしました。ただ、すでにジェットニードルのクリップ段数は最も下(7段の内最も濃い目)になっているため、切り上がり寸法(直径の変わらないまっすぐな部分の長さ)の違うシリーズのニードルに替えてみたいのですが、既製品としては製造されていませんでした。「テーパー角」違いなど色々試しながら、良いセットを見つけるために、試行錯誤しなければならないようです。
※FCRキャブレターのジェットニードルはロット注文であれば、特注出来なくはありませんが、なかなか難しいので出来る限り既製品を使ってセッティングを詰めていく予定です

 ところで、1stテストの終わり間際に、「問題」が発生しました。走行中に異音(パスパス音)がしたので確認すると、フロントエキゾーストパイプ(排気口直後の曲がり部分内側)にクラック(割れ)が入っていました。今後の仕様変更にも対応出来るように、サイレンサーとの差込口にマフラースプリングを設置しないでいたのが裏目に出たようです。振動で6~7mm程度抜けてしまっていて、エキゾーストパイプを押し(曲がり部分を開く方向)続けてしまったと思われます。
 折損には至らずに済んだので帰店したのちに補修しました。空いたすき間を埋めるのと溶接強度を上げるために、周辺のクラックの入らなかった部分を含めて「盛り付け溶接」(画像④)を施しておきました。新バージョンのフィーリングも良さそうなので、スプリングフックも溶接してマフラースプリングを設置しました。

 また溶接中に気付いたのですが、この曲がり部分(真円パイプの輪切り溶接)の断面が「楕円形」になっていました。ビッグシングルで高圧縮エンジンだと一発毎の燃焼の熱量が非常に大きく、特に高温の排気ガスが当たる曲がり部分の外周の壁が、熱膨張が激しいため引き伸ばされたのでしょう。これには改めて驚きました。走行中は致し方ないとは言え、走行しないで行うプレセッティングは出来る限り控えた方が良さそうです。
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