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カスタマイズ

パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

フォークスプリング変更(GSX1300R隼)

2021-09-27
①オーリンズ製スプリング
②上=オーリンズ製/下=純正
③1G沈み量変化
④フォーク突出量調整
 カスタマイズ事例で紹介した「」ですが、遅れていた「オーリンズ製フォークスプリング」がようやく入荷しました。リヤショックアブソーバーをオーリンズ製に換装する際に併せて行う予定でしたが、なかなか入手出来ずにいたため、本格的なサスペンションセッティングも出せないままお待ちいただいていました。「」をはじめ「メガスポーツ系」ではフロントフォークの実用出来るストローク(上下動)の少ない車種が多く、フロント側のセッティング出しの「カナメ」となるのがフォークスプリング変更です。サスペンションセッティングでは前後のバランスが重要ですから、フォークスプリングの入荷を心待ちにしていました。

 通常、スプリング交換だけの場合でも内部洗浄・フォークオイル交換などを含むオーバーホールをしますが、この度は前回のオーバーホール(SKFフォークシールへの交換含む)から、あまり走行距離は伸びてないので、「スプリング交換」とオイルの「油面調整」のみとしました。

 スポーツライディング向きのスプリングと言うと、固いスプリングのイメージがあるかもしれませんが、今回の「」用ではバネレート0.9~1.1kg/mm(バリアブルレート)の純正に対して、オーリンズ製は1.0kg/mm(リニアレート)の設定(長さは同じ)となります。全体としては柔らかくなり動きやすくしているのです。
 「油面調整」はオイルの上側にある「空気量」を調整することが目的で、「空気バネ」の効果に影響します。空気は圧縮されるほど反発力を生みますので、ストロークが深くなるほど反発力は高くなります。フォークスプリングと空気バネの合算の反発力は2次曲線的に高まるので、ストローク後期に影響が大きくなります。純正スプリングのままオーバーホールした際に、少しでもストロークしやすいように標準(95mm)から10mm下げていた油面を、いったん標準に戻しました。ストローク量を決定する基本となるのはスプリング(バネレート)で、空気バネは補助的に考えますので、一度標準に戻してセッティングの基準とします。イニシャルアジャスターの調整も標準的な3ライン(アジャスターに刻まれた目安の5本の線で線間は2mm)に戻して初期設定としました。※元の状態は2ラインに強めていたプリロードを、少し抜いて弱めています。

 フォークスプリングを交換してすぐに判る変化が1G(人が乗車せずに車体を垂直に立てて車重が掛かった状態)の沈み量です。沈み量は本来は車高の変化を測りますが、測定しやすいダストシール下端とアクスルホルダー上端のインナーチューブの長さを測って比較すると、元の状態では86mmだったのが上記の設定で94mm(画像③)となりました。伸びきり(0G)は115mmでしたので、29mmだった沈み量が21mm8mm減ったことになります。フロント側の車高が高くなることになるので、フォークの突き出し量を5mm増やして(車高を元に近づけて)おきました。車高はその後のプリロードの調整によってまた変化しますが、今回の設定は元の前後車高のバランスを保って、「」のハンドリングの「素性」は維持する狙いです。

 1G沈み量(サグ)が少なくなったことで、そこから荷重が高まってストローク出来る量(有効ストローク)が増えたことと、バネレートが1.0kg/mmになり柔らかくなったことで、しっかりとストロークするフロントフォークにすることが出来ます。最終的にリヤショックアブソーバー(オーリンズ製)と共にセッティングを進めていきますが、フロントフォークの上下動を積極的に使えるようになれば、これまでリヤ側での姿勢変化に頼っていたものを前後の姿勢制御に考えられるようになます。コーナー進入を楽にしつつ、コーナリング中にしっかりと踏ん張って安定した姿勢・軌跡を保つことが出来るセッティングを狙っていきます。

※純正フォークスプリングの場合、柔らかい(0.9kg/mm~)部分を上記1Gの状態でほぼ縮めきってしまい、そこからの荷重の増加に対しては1.1kg/mmの硬いバネを使うことになり、硬くてあまりストロークしない(突っ張ったような)フロントフォークになってしまいます。また、プリロードアジャスターの調整もバネレートの柔らかい部分にしか影響しませんから、プリロードを弱める調整をしてもあまり効果がありません。どちらかというとプリロードを少し強めて、フロントを浮かせ気味にした方が有効ストロークが増えて動きやすくすることが出来ると思います。(メーカーさんには、超高速域で姿勢変化を抑えて安定性を高めるなどの狙いがあると思われます。)

※カタログデータにホイールトラベル(伸びきりから底付きまでの長さ)の表記がありますが、一般(公道走行用)車両のフロントフォークでは、底付きを防ぐために、底付き15mmほど手前に、極端にオイルの抵抗を増やして動きを妨げる「オイルロック」機能を持たしています。そのため実質的にはこの寸法分は使えないことになり、さらに有効ストロークは少ないことになります。(レース用フロントフォークにはオイルロック機能はありませんから、ギリギリまで使えます。)

※減衰力調整について記述しませんでしたが、減衰力は「スプリングの働き」次第ですから、標準(基準)そのものが無くなり、あくまでも動かして調整を進めます。リヤショックアブソーバーも同様です。

 
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