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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ

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防風シュラウド(SR)

2022-02-28
①フレームシュラウド
②ベースプレートとホースカバー
③シュラウド上部
 一般的な空冷エンジン(ウェットサンプ潤滑方式)では難しい、油温オーバークール対策ですが、SRは「ドライサンプ」というエンジンオイルを別体タンクに溜めている方式なので、少しは出来ることを考えてみました。

 手始めに、保温効果を狙ってオイルタンク部分(フレームのメインパイプ)に断熱材を張ってみましたが、あまり油温を上げる効果は無かったので、次の策として、アンダーフレームの前に設置する防風目的のシュラウドを作ってみました。
 ヘッドパイプから下方に伸びて二股に分かれるまでの一本パイプの部分は、オイルタンクとエンジンを繋ぐオイル通路(オイルタンクの一部)となっています。エンジンの前方に位置して、走行風の最も当たりやすい所(冷却には有効的)です。そこで、この部分の前に走行風が当たらないように遮蔽板を設置してみることにしました。

 平板状の遮蔽板では空気抵抗になりそうなので、「」の字状のシュラウドと呼べるものにしました。取付けには、下方は純正のアンダーガード取付ステーにアルミ製ベースプレートを設置して、このベースプレートに連結するようにしました。上方は、横置き式ステアリングダンパー取付用ボスをフレームに溶接していましたので、これを活用しました。
 単体での振動対策(ラバーマウントなどの)が困難そうだったので、シュラウド本体は5mmとしてかなり頑丈なものとしています。また、ぴったりとフレームパイプを覆う大きさにして、エンジン本体への走行風の影響が出ないようにしました。場合(シリンダー温度)によってはシリンダー・シリンダーヘッドへの走行風を遮るシュラウドを追加出来るように、ネジ穴(片側3ヶ所)を設けておきました。※「」の字の角度はその延長線上がシリンダーフィンに干渉しないように設定しました。

 エンジン下部にはジョイントホース(エンジンとフレーム内オイル通路を繋ぐ)が有りますので、ここをカバーするプレート(材質はチタンと凝ってみました)も製作しました。このプレートはラバーマウントとしています。

 この冬はたいへん雪が多く、雪が融けて消えることが稀にしかなく、試運転すらなかなか出来ずにいます。春先(または初冬)のまだ肌寒い時期に効果を出したいと考えていますので、頃合いを見てテストはしておきたいと思います。

※追記(2022.5/9)
 長らく試運転を出来ずにいましたが、ようやく5月に入った初日に今シーズン初乗りが出来ました。月にはすでに夏日を記録するくらい暖かくなってしまい、防風シュラウドのテストにならないかと心配していましたが、当日は曇りで気温16°とテストとしては良い?条件になりました。※走行中(10km程度走行時)に霧雨が降り出して、さらに良いテスト(楽しくはありませんが)になりました。

 温度経過は、シリンダー温度=61°・油温=27°まで暖気運転して出発。日差しが無いせいで、シリンダー温度もなかなか上昇しない状況でしたが、油温は走行速度に関わりなく着実上がるようになり、10km走行で60°を超えていました。霧雨の降り出した10km以降は、シリンダー温度は走行風の影響で上下しつつ60°台後半から70°台前半を行き来した状態となりましたが、油温はその後も少しづつ上昇して、約20km走行した時には、64°まで上がっていました。※エンジン回転数は高くても4000rpmまで

 12月の試運転の時より少しは気温が高いとは言え、防風シュラウドの「効果」はあったようで、確実に油温が上がりやすくなったようです。冬期間をはじめ寒い時期には効果を発揮してくれそうです。 今後は、暖かくなるでしょうから、どのくらいの気温まで使えるのか?特に高回転を使って走る際の経過を観ることにします。

 ただ一つ想定外なのは、「シリンダー温度」が上がりにくくなったことです。12月でも走り始めて2~3kmもすれば70°を超えていたのが、なかなか上がらなくなると共に、走行スピード(風)による影響の上下動が大きくなったように見受けられました。もしかしたら、このシュラウドの「整流効果」でシリンダーフィンへの風通しが良くなり「冷却効果」が出ているのかもしれません。
 もしそうであれば、シリンダーの「冷却効果」と油温の「防風保温効果」のバランスで、どんな結果が現れるのか?注目して観察したいと思います。 

 

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