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パドックⅢ カスタマイズ計画 ブログ
カウリング装着・SR
2024-08-22
シーズン突入の際に急遽始めた「キックペダルの実験」を報告したために、紹介が後回しになっていましたが、SRはこのオフシーズンに予定していた通りに、「カウリング仕様」へのカスタマイズを終えていました。
「カウリング仕様」への仕様変更のために用意していたのは、「ガルクラフト製ビキニカウル BULLET TYPE-R」と周辺部品では「デジタルスピードメーター(メーカー不詳)」「ディトナ製セパレートハンドル」「ディトナ製150mm径ヘッドライト」です。カウリングの装着には各々が関連するので、優先順位はあるものの連続して作業しています。
最終的に選んだのは、通常ではフロントフォーク(またはステアリングステムなど)に取付けられたヘッドライトにかぶせる「ビキニカウル」でしたが、実は今回のカウリング仕様の「一番の目的」はヘッドライトなどの重量物の「フレームマウント化」でした。
自身のRC390やお客様のカウリング車などから乗り換えた際には、常々フロント周りに違和感を感じていました。フロントタイヤが内に向いて切れてくると、そのまま切れ続けるような重さがハンドルに伝わってくるため、少し「当て舵」をして止めているような感覚でした。
長年ロードレース(GP250)を続けてきた経験からも、フロント周りの動きに余計な重さが加わるのが邪魔に感じていて、何らかの形(カウリング装着に拘わらず)でフレームマウント化に向かおうとは考えていました。
カウリング装着は、多少の「空力性能の向上」を望むようになってきたのが、良いきっかけとなりました。
カウリングを選ぶ際には「空力」がそれほどは重要ではないので「カウルレス仕様」にも簡単に出来るように「ビキニカウル」を選びました。ただ、小振りなビキニカウルをフレームマウントにする場合は、ハンドル周りのパーツとの干渉を避けるのはかなり難しくなり、必ずしも良いスタイルになるとは限らない(優先順位は下位)ため、ある程度は妥協も必要だと覚悟して作業に取り掛かりました。
作業(1)
前述した「優先順位」ですが、当然一位は「ハンドルポジション」です。特に右肩の負傷の影響の残る現状では、通常時よりも重要となりそのポジション設定を真っ先に決めました。負傷することを前提としてはいなかったものの、「タレ角可変」のディトナ製を用意していたのが幸いしました。元々タレ角が小さめのポジションを試す目的でしたが、色々なタレ角・絞り角に変化させてみると、想定した目的に近い「タレ角」はごく小さく(2~3°)「絞り角」もかなり開いたものが、肩の痛みが少なくすみ、ライディングへの支障を最小限に出来そうなポジションとなりました。
作業(2)
上記ハンドルレイアウトを基準に「カウリングブラケット」の製作にかかりました。
フレーム側はヘッドパイプ前側の上下2ヶ所(60mmピッチ)にM8ボス(炭素鋼S50C)を溶接して支持部としました。この配置だとブラケットの支持部材が角パイプ1本となり強度に不安はあるものの、それも実験だと考えてこの構成で製作することにしました。
ブラケット本体は、アルミ7N01材20mm×20mmの角パイプを主体に組んでいます。ヘッドライトはディトナ製で決まっているものの、メーター配置は汎用性を持たせて3ヶ所にネジ穴(中央=M8/両端=M6)を設定しておきました。
ひと通り組み上げて(画像③)フレームに取付けて各方向に力を加えてみると、「しなり」がけっこう出ていたので、支持部に補強を入れることで強度を増しています。
干渉を避けつつ出来るだけスタイルも良くなる位置設定は、やはりかなりシビアでブラケット全体を下げるプレートを追加したり、ビキニカウルの取付をライトケースとは共用しない位置にずらしながら、なんとか妥協点としました。
作業(3)
最後に、以前から整理したかった「配置換え」を兼ねて、「メーターパネル」を製作しました。
メーターの配列は、レトロ風なアナログ式タコメーターと現代風のデジタルメーター(スピード&インジケータ/電圧/油圧/油温/シリンダー温)の双方に分けることで、それぞれの雰囲気を妨げないレイアウトを考えました。
タコメーター(ディトナ製)は同社のステー(ラバーマウント式)を使用して、単独でカウリングブラケットのセンターに取付けることにして、他のメーターはトップブリッジ側に新たにメーターパネルを製作して配置することにしました。※スピード&インジケータはラバーマウントとして、メーターパネル自体がトップブリッジにラバーマウントされているのと併せた振動対策としています。
追加作業
1)ハンドル周りの軽量化をさらに進めるため、バックミラーをライトステーに取付けるようにしました。これまで使っていたミラー(ハンドルマウント用スチール製)でも取付可能にしましたが、ブラケットへの負荷を考慮して出来るだけ軽量な物(樹脂ボディ・アルミ製アーム=メーカー不詳)をとりあえず選んでおいて試すことにしました。
2)ヘッドライトケースが前方に移動したため、ハーネスの長さが足りなくなり応急的にケース外にまとめましたが、各デジタルメーター接続用に「分岐を繰り返していた配線」を4分岐端子を使って不要な配線を省いておきました。(ハーネスはいずれかの機会に作り替える予定です)
※トップブリッジ側にマウントしたメーターレイアウトは、今回の目的のハンドル周りの軽量化にはそぐわないのですが、メーター自体が軽量なことと、メインスイッチを取り囲む配置としたことで、慣性重量としては小さいだろうと判断した結果です。
※勘違いしていたのですが、「ガルクラフト製ビキニカウル」は、純正ヘッドライト(180mm径)に装着出来る設計でした。ヘッドライトの覗く穴が約150mmだったため、小径のライトが必要だと思い込んでいました。設計では、そのまま被せて小さく見せるようになっていて、そのためにライト前方の張り出しを長くして純正ライトのまま、あのデザインが可能にされていました。斬新な発想に感心いたしました。
ただ、結果的には小径ライトにしていたが幸いして、本来の取付位置からカウリングを後退(カウル本体も少加工)させることが出来て、少しはスタイルを整えるのに役立ちました。

実験・キックペダルⅢ・SR
2024-08-03
2本のキックペダル(オールアルミ7N01材製)の製作・実験をした結果、「アーム長の適正値(1本目の長さ付近)」を得られたと同時に早々に「強度不足」部分も明らかになってくれました。
発覚した直後には、軸受部の強度を考えると、もはやアルミ材では無理か?と直感しました。ただ、その後にいくらかの考えを巡らすと対応策が浮かんできたので、アルミ材3作目の製作をして実験を進めることにしてしました。
その対応策では、キックアーム本体だけではなく「キッククランクボス加工」と、「ストッパー部の別体化」を施すものです。※「アルミ製キックペダル」にこだわった方策です。その対応策は以下の通りです。
1:軸受部の強化策は、キッククランクボスとの「嵌合長」が純正(16.5mm)のままでは限界(軸受部外周はすでにクラッチカバーに干渉するぎりぎりに設定)近いので、嵌合長を長くしてみることにしました。
ボスの軸部を継ぎ足す手法(純正ボスから切除)で、ピボットシャフトやブレーキペダルなどと干渉しない限界までの長さに延長した結果、嵌合長を30mmに設定できました。※アーム根元の溶接強度優先のため偏心させていた軸受孔も中心に戻したことと併せて強度は2倍程度
2:ストッパー部に関しては、ストッパー自体を「TC4チタン合金(通称64チタン)4mm厚板材」で製作して貼り付け(ネジ止め)式に変更(オールアルミ製ではなくなりました)しました。そのうえで、そのストッパーを支える部分が広範囲になるように、可能な限り広げました。※特に高さを8mm(純正寸法)から11mmへ拡大しています。
3:アーム根元(ネジレ・曲がり)強化を図るため、上記のストッパー支え部を延長してアームの補強を兼ねるようにしました。キックバーの根元には追加溶接して、溶接盛りを大きくさせて補強としておきました。
以上となりますが、今回は総じて周辺へのクリアランスを干渉しないギリギリにするために、大きくしておいてから実際に干渉した部分を削り落とす手法で製作しました。見た目にゴツイ感じになったとともに重量も増えましたが、それでもまだ少しは軽量化にはなっています。
チタン合金材の入手までに時間が掛かったため、実際に実験(キック始動)出来るようになるまでに、前作から2ヶ月ほども経ってしまいました。その間、5月下旬に乗って以来エンジンも動かしていませんでした。
通常この程度の間が空いた場合は、キャブレター内のガソリンを排出してフレッシュな燃料にするところですが、今回はあえて排出せず(エンジンが掛かりにくい状態=20~30回はキックしたいので)に、キック始動に挑むことにしました。さて結果は?
キックを始めると、案の定掛かりそうで掛からない状態が続いてくれました。踏みごたえは良くしっかりとした感覚が続いていたので、休むことなく20回程度キックしたら始動に至りました。
目標の20回はキック出来たので、エンジンが少し暖まった頃を見計らって停止して、キックペダルを外して各部を確認しました。現状では、ストッパーは一筋の痕も無く板材ごと押し込まれてもいない状態で、全く問題は無いようです。軸受孔も今のところは開いた様子は見られませんでした。※画像⑥~⑧
それなりには強度を上げられたようなので、当面は実際に使っていこうと思います。ただ、軸受け部は強度を2倍程度に上げたとはいえ充分とは考えてはいませんから、随時経過を観ていくつもりです。
※3作目とはなりますが、アーム部からバーまでは1作目の物を切除して再利用(2回しかキックしていないので、ほぼ無傷)しています。加工性が良く溶接強度の高い「アルミ7N01材」ならではのメリットです。アルミ材のもう一つのメリットである「軽量化」に関しては、キッククランクボス(鋳鉄製)を含めた重量が850g(WM製+純正ボス)から590g(8/4訂正)になっています。
※当初の目的のクランキングの勢いを増すことですが、感覚的に例えると、純正やWM製が「ドッドッ」ならば、今作では「ドドッ」となったよう感じです。※エンジンが掛からなかった場合ですが、あくまでも私的な感覚です。
ノーマルをはじめ他のSRでも使用可能ですので、試してみてもらおうと考えています。
※今作ではキッククランクボスまで加工しましたので、お客様にはとてもお勧めは出来ないものとなってしまいました。当店のメニュー化も見据えて、「他の素材」で製作するように準備を進めています。

ワイヤーハーネスKIT製作Ⅱ・Z1-R
2024-07-22
先日、Z1-Rで初製作して紹介(製作自体は冬場)した「ワイヤーハーネスKIT」でしたが、実は以前に構想だけはしていたことがありました。やはり同じZ系の「ヒューズ」が1個(メインヒューズ)しかない車両で、「多系統ヒューズ式」に作り替えることが出来ないか?と考えたからです。その車両は、当店で一貫してカスタマイズを施している「17インチZ1-R」でした。
この車両は以前に紹介したように、電装系が「18インチカスタムZ1」からの移植ですので、メインハーネスなどの基本となるパーツが「Z1仕様」となります。とはいえ純正部品ではなく、「PMC製」の復刻品に換装していました。強化タイプ(配線容量UP)になっているものの回路はZ1純正を踏襲しているので、メインヒューズだけのハーネスKITです。
その後、充電系を´11ZX10R流用にしたり、メーター/灯火類を次々とカスタマイズを施しましたので、トラブル対処を想定すると、大きな懸念を感じていました。そこで「多系統ヒューズ式」にいくらかでも簡単に出来ないか考えてみたのでした。
「多系統ヒューズ式」の回路を想定して仮構築してみると、メインヒューズだけの回路とでは根本的なところに違いがあり、元のハーネスを「加工」したり「割り込みハーネス」を追加するような手法では、ほぼ不可能と言えることが判りました。あとは1から作るか、そういったものが販売されるのを待つか?なのですが、後者ではひとつ問題がありました。この車両では、フレームレイアウトの違いやフレームマウントのカウリング仕様にした影響で、メインハーネスと電装品の配置が合わない部分が多く、かなり無理・無駄(余計な延長処理など)の大きいハーネスの取り廻しになってしまっています。他社から製作された製品では、この問題は解消されないのは当然なので、いつか作る機会(トラブル対処)があれば挑むことにして様子を見ることにしていました。
そうした間での、この度の「ワイヤーハーネスKIT初製作」でした。いろいろな仕様違いはあるものの「基本的な考え方」はこちらのZ1-Rでも変わらないので、今度は自信を持ってお勧めしたところ、続いて製作することになりました。製作したワイヤーハーネスKITの基本的な特徴は、前作とほぼ同様になっていますが、2点の異なる仕様を設けました。
まずは、大元の電源回路に「メインリレー」(パーキング回路には不介入)を装備させました。これは、メインスイッチON回路の「電圧降下抑止」と「接点の保護」のためです。※メインスイッチ内接点には、リレーを作動させるための小さい電流しか流れなくなります。
もう一つは、「パーキング回路」です。こちらのZ1-R(Z1電装)では、元々「P=パーキング」は、日本でも一般的な「テールランプ点灯」でしたので、そのまま踏襲しました。この回路には純正のダイオードKIT(カプラー接続)は使わず、市販の大容量ダイオードを回路内に組み込みました。
※前作で「メインリレー回路」を設けなかったのは、オーナーさんが元々遠方の方で転勤も考えられる仕事(現在の勤務地は近隣)に就かれているため、当店以外でも電装系整備をしやすいように出来るだけシンプルな回路を目指したからです。
※もう少し複雑な回路になるものの、´90年代のキャブレター車までならば「ワイヤーハーネス製作」は可能そうです。興味のある方はご相談ください。(一部の入手困難なカプラーの場合は、元のハーネスから切除して再利用することも考えらますが)

ワイヤーハーネスKIT製作・Z1-R
2024-07-06
足周り換装を終えて、ひと段落したと思っていた「Z1-R」でしたが、その後オーナーさんから新たなご相談を受けていました。最大の不満であった車体・ハンドリングの問題が解決されたことで、もう一つの不安も解消してしまいたいと相談に来られました。
それは、この車両を手に入れられた時から不安を感じられていた、「電装系」に関してのご相談でした。
手に入れた直後から、点火系にはASウオタニ製SPⅡフルパワーKIT(デジタル制御フルトランジスター点火方式)を、充電系にはMFバッテリーとPMC製ICレギュレーター(MFバッテリー対応)に換装して、信頼性と基本性能を上げるようにされていたそうです。
加えてハンドルスイッチは、右側はスロットルKITに合わせてOWタイプに、左側は復刻品の新品に交換されたのですが、そこで問題として残ったのが、メインハーネスをはじめとした「配線類」だったようです。
この車両に装着されていたのは、純正のメインハーネスそのままではなく、「3系統ヒューズ(通常の自動車業界では見かけない物)式」になっていたそうですが、後から手を加えている(Z1-Rは本来メインヒューズのみ)のは明らかで、どの系統か不明な上きちんと機能しているかも心配な状態だったようです。しっかりした新品に換えたいと思い、出来れば「多系統ヒューズ式ハーネス」が良いと製品を探してみたものの、Z1-R用はなかなか見つからず、なかば諦めていたそうです。
それでも世代(Z系として)の近い「Z1000MK-Ⅱ」用の製品がみつかっていたようで、これが何とかならないかとのご相談にみえられたのでした。目を付けられていたのはPAMSさん(Z系カスタムショップ&オリジナルパーツメーカー)の製品(多系統ヒューズ式)でした。
これまで、電装系の組み合わせのために配線を加工したり、部分的なサブハーネスを製作することは多々経験してきたので、物によっては流用加工が可能かもしれないと、ひとまずトライしてみることになりました。
取り寄せたPAMS製ハーネスKITの回路を調べてみると、メインリレー回路追加・多系統ヒューズ・オートライト回路(北米仕様?MK-Ⅱの常時点灯式ヘッドライト対応)となっていて、かなり「凝った回路」になっていました。特に、カワサキ純正ジャンクションボックス(ヒューズボックス&サーキットリレー内蔵)に加工を施された回路が複雑で、メインスイッチをはじめとしたZ1-Rとの違いも多く、これをさらに流用加工するのは、かなり困難で断念せざるをえませんでした。
結果、当店では初の「メインハーネス製作」を手掛けることになりました。
製作にあたり狙いは、あくまでも「多系統ヒューズ式」を主題として、後々のトラブル発生時に故障診断や修理・修復をしやすいことを考慮した回路・配線構成にすることとしました。そのため、多系統ヒューズの他には、特別な回路は極力加えないことにしました。
実際の製作においては、出来れば純正配線の色分け(メーカー毎に各系統に使用する配線色は決まりが有ります)を再現したいところですが、現在当店で入手可能なのは約20色(一般的な回路に多く使われる配線の容量AV0.75)程度しかなく、また、さらに大容量のAV1.25/AV2.0では数色しかないため、ある程度置き換えて使わなければなりませんでした。
途中、いくつかの繋ぎ直しをしながらも完成に漕ぎ着けました。
※製作したハーネスKIT(スイッチ類の部品側の配線加工を含みます)の特徴は以下のようになります。
1:メインヒューズ(メインスイッチまでの常時電源)+サブヒューズ(パーキング系と追加電装品のための常時電源取出し用)
2:4系統ヒューズボックス(ホンダ純正品流用)画像④
イグニッション(点火)系/ヘッドライト系/ストップランプ系/その他の一般電源系
※スターター系(セルモーター回路)は、点火系と分離して「一般電源系」に入れています。
3:電装の中でも重要な「点火系」と「充電系」のハーネス(配線の束)は、メインハーネスと分離させて、電源線など必要最小限の配線のみメインハーネス内に収めています。
4:電流の大きさに合わせた配線容量(上述のAV0.75~2.0)の選択
※ヘッドライトHi/Loの回路など、純正色(赤/黒・赤/黄)を踏襲しつつAV1.25にしたくても配線が無い場合には、AV0.75配線を2本束にして製作しています。(アース用黒/黄線は合流しつつ計3本)
5:唯一特別に、メインスイッチ回路に「直結防止(抑止)回路」を設定しました。
6:リヤ周り(テールランプ・リヤウィンカーなど)のように、同じ本数で配線が長くなる場合、メインハーネスは短目でカプラーに収めて、「延長サブハーネス」をカプラー接続するようにしています。※これも診断・修復をしやすくするためです。
きちんとした純正ハーネスとスイッチ類ではなかったため、最後まで確定出来ずにいた「P=パーキング」回路でしたが、最終的に「ハザード対応」だということに行き着きました。そのため、最後に独立した「ハザード回路(画像⑦)」を製作して組み込んでいます。ハンドルスイッチ内にはハザード用スイッチは無いので、別にスイッチ単体をハンドルパイプに設置しています。
※この回路では、通常のメインスイッチ「ON=走行中」でもハザードは動作出来ますし、「P」位置でも、ハザードスイッチを入れれば動作させることも可能です。
※画像では、左右ハンドルスイッチ接続用カプラーが全て「クリア色」になっていますが、より接続間違いのないように、一つ(6極)を後ほど入手出来た「黒カプラー」に組替えました。
※以前、製作した「メーターパネル」ですが、アルミ製なため日光が反射してまぶしいということで、カーボン調ラッピングを施すことになりました。選んだのはラッピングフィルムより強固な「3M製ダイノックシート」です。画像⑧

続・実験キックペダル・SR
2024-06-15
前作に引き続き、さらに「短いキックペダル」を作って実験してみました。
前作では有効半径165mm(WM製に比べてマイナス15mm)だったところを、さらに15mm短くして有効半径150mmに設定して製作しました。長さの他は1作目と基本的に同様の仕様としています。はたしてどんな結果となるのか?
結論として、とても使えたものではないことがはっきりしました。
短くした効果は、ピストンの位置出しの段階で変化が感じ取れました。デコンプ(エキゾーストバルブを開く)しつつ空廻しをして適した所で止まるようにしているのですが、クランクシャフトの周りが良すぎて通り過ぎてしまう勢いでした。
この勢いに期待も膨らみましたが、何度か回し直して適したスタート位置を出して踏み込もうとすると、踏み始めが重すぎて、とても勢いを出すどころではありませんでした。そこで本来ならば、あまり適さない位置(かなり通り過ぎた=ペダルは低い位置)までずらしてみると、踏み込めるようにはなりましたが、それではエンジンは始動することは出来ませんでした。短すぎることは分かったものの、踏める限界点を探る意味でも、しつこく(20回以上)チャレンジし続けましたが、結局はエンジンを始動出来ないまま諦めることになりました。
かなり疲れたこともありますが、もう少しで掛かりそうとなったところで、キックペダルが後ろ向きに回ってしまったのでした。ここで強度の問題が出たのでした。
すぐに取外して確認すると、ストッパー部はえぐれたように変形(画像②)していることと、軸受け部が一方向に伸びて開いて(画像③)いました。キックバーの根元にも少し曲がりが見られました。
アルミ材では強度的に難しいとは考えてはいたものの、かなり厳しい結果となりましたが、アーム長さに関してはおおよその結論は得られました。一作目の有効半径165mm付近が、現状(現在のエンジン仕様と自信の体格・体重・脚力の組み合わせ)では適正値だと確認出来ました。
強度不足に関してはかなり厳しそうですが、それでもいくらかの対策を考えられそうなので、もう少しアルミ材(7N01)を主体として試作してみようと思います。
※純正キックペダルの長さ(有効半径185mm)は、ある程度体重の軽い方や脚力の弱い方でも踏み込めるように配慮した設計になっていると思います。さほど小柄ではなく慣れた方ならば、ノーマルエンジンのSRでは蹴り応えをあまり感じられないくらいではないでしょうか。
※キック中に何度か「ケッチン=キックペダルの跳ね返り」を受けましたが、軽量・ショートタイプにした効果の副産物として、衝撃が軽くなっていることを発見しました。股関節にまだ痛みを感じる身としては、非常に助かりました。
